あの「3.11」から4年が過ぎました。
当YSTは宮城県多賀城市にあります。
事務所自体は、幾分内陸よりに位置していたこともあり最悪の事態は逃れましたが、多賀城市内の津波の被害自体は尋常ではありませんでした。
多賀城市内では188人の犠牲者が出ております。
この場をお借りして、あらためて犠牲者の方々のご冥福をお祈り致します。
4年経った今、少なくとも初めて多賀城を訪れる人の目には、街の風景は震災前とほぼ変わりなく写るかもしれません。
でも、震災はここ多賀城は勿論、他の地域でも現在も進行中の出来事です。
実際、私は自宅から職場まで車で通勤しているのですが、その際、仮設住宅が2カ所あります。
今でも仮設住宅での生活を余儀なくされている方が多くいらっしゃいます。
多賀城市に事務所を構える一市民として、これからも地域の復興のためにできることをやっていきたいと思います。
震災と言えば、自衛隊の方々をはじめ、他の多くの皆様に本当にお世話になりました。
ありがとうございます。
自衛隊の場合には、言うまでもなく災害派遣ということになります。
自衛隊の「主たる任務」は「国防」。
それに対して「災害派遣」は「従たる任務」になります。
でも、ほとんどの一般市民が日本国内で目にする自衛隊の「任務」は、訓練を除けば「災害派遣」になっています。
実際、そういった災害派遣の姿を目の当たりにして自衛官を志す方も少なくありません。
さて、ここからが本題です。
10年程前のお話になりますが、高校を卒業したばかりのNさんという女性がいました。
カトリック系の女子高を卒業しているのですが、同級生のほとんどは、そのまま同じ学校法人の大学に進学するか、「高校とお付き合いのある他の大学」に進学していきます。
地元では「お嬢様学校」として名が通っています。
高校の部活を聞いてみると、なんと管弦楽部。
運動部ならまだしも、バリバリの音楽系です。
そのため、自衛官になりたいという電話をNさんから頂いた時、私は耳を疑いました。
その後、事務所に来て頂き、いろいろとお話をしていくと、災害派遣の車両とすれ違った「経験」が、自衛官を志すきっかけとなったということでした。
自衛官になりたいという意思は揺るぎなく、何が何でも自衛官になるんだという気持ちを持ち合わせていました。
今はもう全然驚きませんが、自衛官採用試験の対策講座を始めて間もなかった当時の私には、ミッション系の女子高出身者が自衛官を目指すということは「初体験」のことでした。
2004年、新潟で中越地震という大地震が起きました。
その直後の自衛隊の災害派遣を目の当たりにしたNさんは、将来の職業として「何が何でも自衛官」と心に決めたそうです。
Nさんは、曹候補士(現在の一般曹候補生の前身)の1次合格までは順調に進んだのですが、2次は不合格となりました。
翌年、再チャレンジ。
やはり曹候補士の1次合格までは行ったのですが、また2次で不合格。
でも、その年には二士(現・自衛官候補生)の補欠合格を頂いており、その後繰り上げ合格のお声を頂戴して、念願の自衛官へのキップを勝ち取りました。
Nさんのお話をしたのには、2つの理由があります。
1つ目は将来の職業として自衛官を選択した「きっかけ」にあります。
「きっかけ」は本当に人それぞれです。
Nさんのように災害派遣活動を「見て」目指すことになった人もいます。
被災地域の若者が、災害派遣活動を「身近で体験した」ことで自衛官を目指すようになったケースもあります。
純粋に自衛官の制服に憧れて目指し始めた女性志願者もいました。
小学校の時、たまたま見た航空ショーに感動して、航空自衛官を目指すことになった女子大生。
ヘリコプターに憧れて、自衛官を目指し始めた高校生。
中学校の時にたまたま聞いた音楽隊の演奏会に感動したケース。
勿論、親御さんが自衛官で、将来の職業を考えた時に何の違和感もなく「自衛官」を選択する人もいます。
いずれにしても将来の職業として自衛官を意識することになった「きっかけ」は人それぞれです。
そしてそのきっかけは、あなただけの大切な想いになります。
これから志願者の皆さんは、9月の採用試験に向けて勉強をしていかなければいけません。
部活や学校行事で忙しかったり、仕事で時間が確保できなかったり。
勉強しようと思ったけど、ちょっと難しそうなので、勉強は来週からにしようかなと逃げることがあるかもしれません。
そんな時は、自衛官になろうとした「きっかけ」を是非、思い出して下さい。
きっと、そのきっかけ・想いからパワーを頂けると思います。
特に採用枠の少ない女性の場合には、1点違うだけで何十番も順位が変わってきます。
問題集・テキストは1回やって終わりではありません。
書いてあることを身につけることがさし当たりの目標になりますので、1回で身につかないのであれば2回、2回でダメなら3回、5回と何度でも繰り返す必要があります。
心が折れそうになった時には、是非、自衛官を目指し始めたきっかけを思い出すようにしましょう!
2つ目は、特に女性の場合には1回で合格できるとは限らない、ということです。
勿論、自衛官を目指し始めたその年に合格を勝ち取り入隊していく方もいます。
でも、Nさんのように3回目で初めて入隊に至るケースも少なくありません。
残念ながら、昨年、採用試験を受けたにも関わらず入隊に至らなかった方もいらっしゃると思います。
でも、本当に自衛官になりたいという想いがあるのであれば、大丈夫です。
あとは、やるべきテキストを用意し、それを何度も繰り返し勉強して身につける。
学科試験対策には特効薬はありませんが、このように地道な作業をコツコツ続けていけば、必ず道が開けてくるはずです。
繰り返しになりますが、女性の場合には、1点違うだけで何十番も順位が変わってきます。
前年・2年前に自衛官候補生で入隊し、再度、一般曹候補生の試験を受ける現職自衛官もいます。
今年こそは、戦略的な試験対策を行っていくようにしましょう!
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