水を孕んで膨らむ -4ページ目

いつもどおり

気付いたらものすごい真下を見て歩いていた
向かってくる人の足すら見えない

東京の渋谷からスカウトに来たと自称する怪しい茶髪のおっさんに話しかけられる
渋谷が東京にあることくらい知ってます
イヤホン越しに、詐欺とかキャッチじゃないから120秒話を聞けと言っていた
アラサーに足を踏み入れた女にスカウトと声をかける人なんて、この世で一番詐欺を働きそうじゃないか

人と話したくないからイヤホンをしているのに、平日は暇なのでしょう、店員がやたらと話しかけてくる
それも越後屋並みに腰が低い
恐縮して泣きそうになって店を出る

宅配便のお兄さんの顔も見られない気分だったので下を向いていたら、
思いがけず股間を凝視していた


今日はもうだめだ


斜に構える若さを見て見ぬふり

私は地元が嫌いで、特に小中学校時代を過ごした場所を心底嫌悪している。

いまだにあんな何もない田舎に残って、地元最高みたいなテンションでいる人を狭い世界の住人と見下しまくっているけど、
そんな何もない田舎でずっと生活し続けることができるのは、それこそずっとスクールカースト上位の人に限ると思う。
思春期を青春と呼べる日々を過ごした人たち、人間関係リセットしたいなんて切望しなかった人たち。
そう考えると、見下されるべきはむしろ社交性のない私だ。
SNSで、たまにはクラス会来なよーと言われて、はじめて定期的にクラス会が開催されていたことを知ってしまった私だ。
地元を離れたからと言って、特に広い世界を見てきたわけではない私だ。

でもあそこは地元じゃないんだ。一番長く住んだけど、あそこは祖父母の家がある場所であって、地元じゃないの。

今まさに地元を見下す人たちの短編集を読んでいて、そこに客観的に書かれた私の見下しが、もう明らかに陰キャラの強がりでつらい。

文書のみでやりとりを

急に話しかけられると、焦って早く会話を終わらせたいがために必要な2,3会話をぶっ飛ばした返答をしてしまい、相手に「?????(苦笑)」みたいな反応をされがちです。
自分の中では繋がっているんだけど、その繋がりが相手には伝わっていないから、多分すごくバカだと思われている。

こういうことが頻繁にあって、そのたびに自己嫌悪に陥っている。
そんな会話なんてほんの数十秒なのに、何日も思い出しては落ち込む。

だからもう、急に世間話程度のことを言われたら、黙って微笑んでやり過ごそうと思う。
バカそうなのは変わりないけれど、多分そのほうがダメージが少ない。
どんどん社会性がなくなってゆく。