10周年■解説「Mr.Pusher」/運営が選ぶメトロポリス楽曲5選 | J-pop Idol METROPOLIS

J-pop Idol METROPOLIS

ライブスケジュール

解説「Mr.Pusher」


メトロポリスの中で最もライブで歌わない部類の曲(笑)がこの「Mr.Pusher」。
そもそも振り付けが3人のフォーメーションを前提としており、5人に拡大した時もありますが、メンバーの数に左右される事が要因となり披露する事が非常に困難となっています。

 

2013年に制作されたこの曲はソニーミュージック出身のGUNN氏による作品です。

彼は現在The Primalsのギタリストとして活躍していますが、個人的に1999年から付き合いがあり、疾走感ある作曲手腕を見込んでトラック・メイカーとして彼にお願いをしました。
<PRIMALS>

 

この曲は実は、メトロポリスの前身となるグループ・UNDER FACEのために書かれたものですが、権利関係の課題をはらんだままメトロポリスの曲として引き続き使用されています。
制作当時、作曲(著作権)はGUNN氏に、そして原盤権は当運営の権利だったのですが、UNDER FACEの楽曲はスマイル学園のものだ、という認識があった為か、スマイル学園の楽曲を引き継いだ「ぽけっとファントム」がステージで使用した事があります。

同様な楽曲としては「WALL BREAKER」がありますね。こちらの所有権も曖昧になりつつありますが、その歌詞を見ればメトロポリス、つまり当運営の「棘」のようなテイストが随所に表れているかと思います。しかしこの辺りは双方、大人な対応(笑)で衝突することはありません。

 

 

本題「Mr.Pusher」の内容はというと、アイドルとファンの関係をロマンティックに描いた「メトロガール」と真逆で殺伐としています。

<楽曲>


「Pusher」とはスラングで麻薬密売人を意味します。小学生やら中学生が、麻薬密売人というタイトルの歌を歌うわけですから、発表当時は外国の方々にかなりのショックを与えたようです。また、「Push」は押す→推す という語呂合わせもあり、このタイトルを付けた背景には「アイドル自身が、推されること、応援されることに中毒化している」という意味があります。

以下で歌詞を()で補足を加えながら読んでみて下さい。

Woo Mr. Pusher(おお、推す人よ)  それはアナタのほうで 
官能をコレクトしてワタシを捨て去る アナタこそ・・・
リスト(タイムテーブル)に詰めこまれて並んだユニット(アイドルグループ)が

ファーイースト(遠い東の国=日本)のロビーで
(物販の)テーブル越しにレトリック(言葉)交わす 

覚えきれないね お互いに
顔も名前も いつだったのかも 
だけど裏切ったのはどっちなんだっけ、ねぇ? 
(推すのを辞めたのはあなたよね?アイドルは裏切る裏切る、というけれど、裏切ったのはあなたよ!)

Woo Mr. Pusher それはアナタのほうで 
官能にプライスつけてワタシを置き去る 
Woo Mr. Pusher  それはアナタのほうで 
官能をコレクトしてワタシを捨て去る 
Woo Mr.Pusher  それはアナタに決まってる 
妄想をコレクトしてワタシを捨て去る アナタこそ
Pusher !

 

 

…2013年の時点で、推す側・推される側の相互依存関係・承認欲求のもつれが歌詞として表現されており、アイドルは「推す人の喝采を浴びねば生存できない」という麻薬中毒状態なのではないか、というニヒリズムがすでに10年以上も前から生じていたことが、少々驚きでもありますね。

~運営