福岡県みやま市教育委員会は26日、同市立小1年の男子児童(7)が給食を喉に詰まらせ、病院に運ばれたが死亡したと発表した。みそおでんに使われていたウズラの卵(高さ約3センチ、幅約2センチ)を詰まらせ、窒息したとみられるという。

給食で提供されたみそおでん(右下)などのメニュー=みやま市教委提供
 発表によると、同日午後0時35分頃、給食を食べていた男児が立ち上がって吐きそうなそぶりをしたため、担任の教諭らが男児を廊下の水道がある場所まで連れていき、背中をたたくなどした。しかし、食べ物は出ず、男児は自力で立っていられなくなったため、教諭らが人工呼吸や心臓マッサージなどの応急手当てを実施。同40分頃に119番し、ドクターヘリで同県久留米市の病院に搬送されたが、死亡した。

2024年2月、福岡県みやま市で、小学1年の男子児童が給食で提供されたウズラの卵をのどに詰まらせて死亡した事故で新たな動きです。

【写真で見る】事故が発生した小学校と当日提供された給食 6日に会見した小1男児の父親

6日、男子児童の父親が「児童への注意喚起が不十分だったうえ、発見や救命対応も遅かった」などとして市に損害賠償を求める訴えを起こしました。

■「なんでうちの息子が・・・」小1男子児童が給食のウズラの卵をのどにつまらせて死亡

死亡した男子児童の父親(40代)
「なんで自分の息子が死ななきゃいけなかったのか、十分納得できる説明も受けていない」

事故が起きたのは2024年2月26日の昼でした。

みやま市の小学校で1年生の男子児童が給食で提供された「みそおでん」に入っていたウズラの卵をのどに詰まらせて死亡しました。

みやま市教育委員会・待鳥博人教育長(2024年2月当時)
「安全・安心であるべき学校生活において、起きてはならない事故が起きてしまったことについて、深く反省し大変重く受け止めております」

事故のあと市の教育委員会が、有識者で作る第三者委員会を設置。

調査の結果、「のどに詰まりやすい食材への認識が教職員に不足し、十分な注意喚起を児童にしていなかった」と指摘しました。

一方で「事故の原因は特定できなかった」と結論付けました。

■「助かっていた命・・・」男子児童の父親がみやま市を提訴

この事故をめぐって6日、新たな動きがありました。

男子児童の父親(40代)が市を提訴。

「児童への注意喚起が不十分だったうえ、発見や救命対応も遅かった」として、慰謝料など合計6000万円の損害賠償を求めています。

死亡した男子児童の父親(40代)
「助かっていた命だと思います。すべてにおいて納得はできないです。とにかく息子を返してくれと・・・それだけです」

男子児童の遺族が提訴をしたことを受けみやま市の松嶋盛人市長と藤岡育代教育長は「市および教育委員会としましては、ご遺族の訴えを真摯に受け止めるとともに、訴状が届き次第内容を確認のうえ、適切に対応してまいります。」と連名でコメントを出しています。



 ネットニュースでも盛んに取り上げられていますし、ブログでも取り上げている方が多い話題です。


 実際の給食を見てみたら、「これは一緒に入っているこんにゃくでも同じことが起こりそうだし、予見できないよなぁ。」と思いました。


 たとえ「よく噛みましょう。」と指導していたとしても、喉に詰まるときは詰まる。大人でも年配でも子どもでも。


 それに、対応が悪いと保護者の方は言いたいようなのですが、異常を察知してすぐに背部叩打法を試しているし、応急手当てもしているし、5分で救急に通報もしている。


 しっかり食べる指導をするのは基本はご家庭での役割だと思います。もちろん、食育も指導内容には入っていますが、「うずらの卵だから喉に詰まらせやすい」という細かすぎる配慮は難しい。何なら、パンでも喉に詰まらせて亡くなってしまったという事例がある。


 どれも予測不可能な子どもの行動によるものだったし、教室にいる35人程度の人間をくまなく注視し続けることは、一緒に食事を摂りながら過ごす教員には難しいです。


 人は怒りや悲しみを何かにぶつけないと立っていられなくなる生き物だから、保護者の方が訴えるという行動をとったことも理解はできます。でも、現場の教員として、同じことが自分の学級で起きたとしたら、納得はできないかな。不運な出来事はいつどこで起きるか分からない。やれるだけのことはした結果を批難されてしまっては、こちらはいつも怯えながら過ごしていなければならなくなってしまう。そのストレスに耐え続けられる人って僅かだと思います。訴えるという行為によって人生が左右される人が出てくるかもしれない。


 人為的に危害を及ぼしたのであれば、そりゃ訴えるべき。でも、これは事故だと思います。私は教員という立場だから庇っていると感じられてしまうかもしれないけれど、やっぱりこういうニュースが出てくると、「自分だったらどうか・・・いや、うずらの卵が入っているからと『よく噛みましょう』と言うことはあるかどうか微妙だし、そもそも一年生の給食って準備がてんやわんやで大変で判断力も落ちていると思う。この教師ほど素早く対処できるかも自信がない。パニックだったと思うのに、よくここまで判断することができたなと思う。」と、『自分ならどうしていたか、どうなっていたか』で考えがち。


 亡くなられたこと自体は大変悲しい出来事で、担任だったとしたら自分も出勤できなくなるぐらいショックを受けると思います。でも、やっぱり事故だよなぁ・・・と思いました。