今回からシリーズで
「認知症ケア」について
書いてみようと思います。
認知症ケアに関することは
たくさんのところで言われていますが、
今回、私は「認知症の人の気持ち」に
焦点を当てて書いてみたいと思います。
それは認知症のある人に対して
「共感する」とか「寄り添う」とか、
そういう単純なことではありません。
また、そうするためには認知症の人の
その置かれた境遇を深く理解することが
大切だと感じます。でないと、
共感などできないと思うからです。
先月13日、認知症研究の権威でもある
長谷川和夫先生がお亡くなりになりました。
長谷川先生は精神科医でしたが、
認知症のスクリーニングに使用する
「長谷川式認知症スケール」を
1970年代に開発し、2004年には、
侮蔑的な意味を持つ「痴呆」という呼称を
「認知症」を採用することとした検討会の
委員でもありました。
晩年はご自身も認知症になられました。
少し前になりますが、NHKスペシャルで
その様子を取材したドキュメンタリーが
放送されました。
以前、長谷川先生の上司が
認知症の研究は自分が認知症になって
初めて完結する、と言われ、
「ようやく自分の研究も完成する」と
TVの中で言われていました。
認知症になっても、研究者の矜持を
持ち続けていた方だったと思います。
その一方、ドキュメンタリーでは、
ユーモアがあり、家族思いの一面も
垣間見え、本当に尊敬できる人物だった
のだろうと想像します。
放送の中で、長谷川先生は、
ある言葉を何度も言っていました。
それがとても印象に残り、認知症の
人の頭の中を推測するヒントになる
のではないかと直感しました。
その言葉とは、「確かさ」という単語です。
何気ない言葉ですが、奥深い。
そして真理を語っている。そう思いました。