この間
は酸素と二酸化炭素を交換する“ガス交換”
の話を書きました。
今回は、息をする方法を書きたいと思います。
“息をする”というのは、“肺がふくらむ”と酸素が入る、
ということなのですが。肺がふくらむ方法って面白いもんですね。
肺自身がふくらんだり、しぼんだり、はしないんですって。
肺は“肺胸膜(はいきょうまく)”という膜に包まれています。
一方、肺を取り囲む肋骨(ろっこつ)や胸骨(きょうこつ)、
それらの間に張り巡らされた筋肉、これらを胸郭(きょうかく)と呼び、
その内側にも“壁側胸膜(へきそくきょうまく)”という膜が
覆っています。
さらに、胸郭の底には“横隔膜(おうかくまく)”が張っています。
(横隔膜を境にして、胸側を“胸腔(きょうくう)”
腹側を“腹腔(ふくくう)”と呼びます。)
“肺胸膜”と“壁側胸膜”の間にはわずかな水分があるだけで、
陰圧になっています。そして、肋骨筋と横隔膜が広がると、
それにつられて肺が広がる。これが“吸”です。
その反対、縮むと“呼”、息を吐くことになります。
これを説明するのによく用いられるのが「へーリングの模型 」というものだそうです。
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クリックしてみてください。
肺自体が縮んだり、ふくらんだりするのではなく、
まわりの筋肉が収縮することで、それにつられて肺がふくらみ、縮む。
息はこうして行われているのです。
言葉での説明は難しいし、面白くないですね。
こんな動画を見つけました→呼吸する動画
こんな事故を目撃したことがあります。
施設の職員が、ホイールローダーを運転していたとき、
傾いて横転しました。
運転していた職員はホイールローダーの下敷きに…。
本体には挟まれませんでしたが、シフトレバーが
彼の左胸にあたったまま、身動きがとれなくなりました。
消防隊のレスキューで彼は救出されました。
しかし、シフトレバーが当たった場所は傷がつき、
息ができなくなったのです。
“気胸(ききょう)”という病気でした。
さっき、説明で陰圧という言葉を使いました。
肺に損傷がなくても、壁側胸膜に穴が空いたりして陰圧でなくなると、
胸郭や横隔膜が広がっても肺はしぼんだままなのです。
呼吸ができなくなる、“呼吸困難”です。
ちなみに、胸郭を広げて呼吸することを“胸式呼吸”、
横隔膜を下げて呼吸することを“腹式呼吸”といいます。
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