新婦さんのお父様にとって、
挙式で新婦さんをエスコートする
お役目はすごく大切な時間です。
以前とっても印象的な
バージンロードの光景がありました。
大切な我が子の結婚式。
誰しも万全の状態で、
臨みたいですよね。
とはいえ、人間生きていれば
本当に色んなことがあります。
ちょっと前置きが長くなりましたが、
新婦さんのお父様が
結婚式の前に腰を痛めてしまったんです。
あまりの激痛に日々悶絶しながら、
娘の結婚式までには
「しっかりエスコートできるように」
と、努力はしたものの、
腰は思うように良くならず・・・。
そして迎えた結婚式当日。
腰を押さえながら、
痛みをこらえて歩くお父様の姿は、
見ていて痛々しく感じたんです。
挙式前のリハーサル時も、
「本当に新婦さんのエスコートが
できるのかな?」
と不安になるくらいでした。
迎えた挙式本番。
チャペルの扉が開いた瞬間
それまで痛みをこらえていた様子が
なかったかの如く、
キリっとした立ち姿の
お父様の姿がありました。
そして、痛みに悶絶する表情を
一切見せることなく、
新婦さんのエスコートを
見事に務められたんです!!!
バージンロードは、
新婦さんのこれまで歩んできた
「人生の道のり」を表しています。
お父様は、
痛みをこらえて歩かれていたので、
その意味合いをかみしめる余裕は
なかったかもしれません。
でも、新婦さんにとっては、
ゆっくりと一歩ずつお父様と歩む
ウェディングステップは、
何にも代えがたいひとときだったはず。
私は挙式進行のお手伝いをしていて、
新婦さんのエスコートを新郎さんへ
引き継ぐ際の様子を、
背中越しにしか見ることが
できなかったんです。
その背中になんとも言えない哀愁と、
腰の痛みをおして大切な役目を務めた
お父様の晴れやかさを感じたんですよね。
エスコートを新郎さんへ
引き継いだ瞬間の表情は、
当日の思い出のシーンをまとめた
披露宴お開きの際に上映した
エンドロール映像に、
しっかりと収められていたんです。
めちゃくちゃ晴れやかな表情の
お父様の目に、
涙が浮かんでいました。
もうね、腰の痛みを必死で
こらえてバージンロードを
歩かれた背景をおもんばかると、
私もうっかり涙してしまいました。
まさに【涙のバージンロード】
でしたよ。
ちなみに・・・私の結婚式の時、
母が前日にぎっくり腰になっちゃいまして、
痛みをおして結婚式に来てくれたことを
ついつい思い出しちゃいました。
結婚式当日は、
色んな場面で予期せぬことが
起こるもの。
司会者としてどれだけ多くの
結婚式に関わっていても、
毎回毎回色々な気持ちを
共有させてもらえる
とても幸せな時間です。
本日も結びまでお読みいただいて
ありがとうございます。