コロナ禍と言われる世の中になって3年。
あらためて思い返してみると、
特に2020年に結婚式をする予定だった
新郎・新婦さんに関しては、
色々考え抜いて「延期」や「中止」の決断を
する方がとっても多かったんです。
コロナが完全にない生活にはまだ時間が
かかりそうですが、
最近は「延期」や「中止」といった
決断をする新郎・新婦さんも
だいぶ少なくなりました。
そんな中、先日司会を担当した結婚式。
2回の延期を経て、ようやく待ちに待った
結婚式ができた新郎・新婦さんでした。
でも残念だったのは・・・
一番結婚式を楽しみにしていた
新婦さんのお母様が、
1回目の延期を決めた後に
他界されてしまったことでした。
新婦さんが披露宴内で読まれた手紙には、
こんな一節がありました。
『お母さんが誰よりも
一番楽しみにしていた結婚式。
ウェディングドレス姿を
見せてあげられなくて
本当にごめんなさい』
シンプルな表現だからこそ、
延期をせざるおえなかった背景や
想いを鑑みると、
すごく胸に迫る言葉でした。
当ブログでも幾度か綴りましたが、
私、ウェディング司会者になる前は
葬儀の司会者をしていたんです。
冠婚葬祭の「葬」からはじまって
「婚」に関わる仕事をしてみたからこそ、
しみじみ感じることがあるんです。
儀式としてはどれもとっても大切だけど、
関わる誰もが喜びを感じることのできる
結婚式ってすごい儀式なんだな・・・と。
この新郎・新婦さんはこの数年の間で、
お母様を見送り、自分たちの結婚式をする
という人生の大切な節目を迎えています。
コロナの世の中でなかったら、
後悔なく色々できたことが
あったかもしれません。
結婚式の後、新婦さんがこんなことを
話してくれました。
「コロナじゃなきゃこうはならなかったとか、
なんで私がこんな思いをしなくちゃいけないのとか、
すごい心がぐちゃぐちゃになる時間がいっぱい
あったんです。
でも、それも含めて私たちにとって
全部必要な時間だったのかと思うと、
母が今日この場にいないのはつらいけど
時間をかけて受け入れることが
できた気がします」
結婚式は、新郎・新婦さんをはじめ、
様々な方の人生の一端を垣間見ることが
あります。
中でもこの新婦さんに関しては、
より心の機微を感じたり、
結婚式がいかに人生において大切な儀式なのかを
あらためて教えてもらった気がするんです。
2回の延期を経てようやくできた結婚式には、
私の想像を遥かに超えたドラマがあったんだと
思うとなんだかすごく感慨深かったです。
一組一組の新郎・新婦さんに対して、
言葉にこそ出さないものの
想いをちゃんとくみ取れる司会者で
あり続けたい!と、
初心を思い起こさせる貴重な
体験をさせてもらいました。
本日も結びまでお読みいただき
ありがとうございます。