迷走神経性失神の原因と対策：突然の失神を防ぐ方法

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 迷走神経性失神の原因と対策：突然の失神を防ぐ方法

公共交通機関を利用しているときや

日常生活の途中で

突然倒れる経験をしたことがある方は

いらっしゃいますか？

それとも、突然倒れる人を目の前で

見たことがありますか？

健康だと思っていた人でも、

急に失神して驚いた経験があるかもしれません。

一般的に、一生のうちに失神を経験する人は

約4割にのぼるそうです。

では、急に失神する理由は

何でしょうか？

失神を経験する理由は様々ですが、

その中でも多くの割合を占める

「神経調節性失神」

について見ていきましょう。

    

目次

1.　迷走神経性失神とは？

2.　原因
3.　予兆症状
4.　検査および診断

5.　予防および治療

  迷走神経性失神とは？

 

血管迷走神経性失神とは

反射的な作用により気絶する現象のことです。

突然感じる恐怖、驚き、不安などの心理的衝撃や、

長時間立っている場合などに発生します。

私たちの体には交感神経系という危機対処システムがあり

これが稼働すると、

過度な副交感神経の反対作用が引き起こされます。

その結果、突然血圧が下がり、脳への血液供給が減少し、

目の前がかすんで倒れることになります。

この症状は通常短時間で発生し、

すぐに意識が戻ります。

しかし、再発が頻繁に起こると

危険な状況に陥る可能性があるため
原因を特定して対策を講じる必要があります。

  迷走神経とは？

私たちの体には

自然な危機対処システムである

自律神経系があります。

この自律神経系は交感神経と

副交感神経に分かれており、

互いに拮抗作用を持ちながらバランスを保っています。

交感神経が促進されると副交感神経が抑制され、

その逆もまた然りです。

これにより、私たちの体は恒常性を維持し、

自然な健康状態を保ちます。

迷走神経は、

副交感神経の一部です。

交感神経は恐怖、怒り、緊張などの

緊急時に備えて反応しますが
副交感神経は体をリラックスさせ、

エネルギーを節約する作用をします。

特に、一方が興奮すると、

これを相殺するためにもう一方が活性化します。

例えば、極度の緊張やストレス状況では交感神経が興奮し、

それに対する反作用で副交感神経も興奮します。

しかし、副交感神経が過度に活性化すると

血圧が急激に下がり

「迷走神経性失神」が起こり

一時的に意識を失うことがあります。

  迷走神経性失神が発生する原因

迷走神経性失神は、

以下のような状況で発生することがあります。

例えば、

暑い日人が多い場所で長時間立っていたり
トイレで排便中に倒れたり

血液検査時に注射針で採血をする

ときに突然倒れる場合です。

立ちっぱなし、痛み、血液恐怖、腹圧増加、

脱水、閉所恐怖（狭い場所での激しい不安）

などが失神の誘発要因となります。

長時間立っていると

心臓に戻ってくる血液の量が減少し

心臓から再び送り出される血液の量も減少します。

これにより、脳に行く血液の量も減少し

くらっとした感じとともに倒れることがあります。

  迷走神経性失神の予兆症状

<予兆症状>

1. 気絶寸前のくらっとする感じ
2. 全身の力が抜けて四肢が伸びる全身無力感
3. 顔が蒼白になる
4. 目の前の視野が狭くなってぼやける感じ
5. 発汗
6. 高い疲労感とあくび
7. 吐き気
8. ひどい場合は胸の痛み

  検査および診断

この疾患は、

本人が感じた症状や目撃者の詳しい面談によって
50%以上の原因がわかります。

しかし、倒れた本人が前後の症状を

よく覚えていないことが多いため、

診断が難しいのが現状です。
 

診断のための検査としては

以下のものがあります。

1. 失神に対する問診
2. 自律神経系検査（起立性血圧測定など）
3. 心電図検査による不整脈などの評価
4. 血液検査による貧血、低血糖、電解質の不均衡の確認

※上記の検査で明確な原因が見つからない場合は
脳波検査、脳CT、脳MRI検査を行うこともあります。

  予防と治療

治療方法として最も重要なのは、

「失神が誘発される状況」を避けることです。

これが最も優先されるべき予防法であり

治療方法でもあります。

• 長時間立っている場合：長時間立ち続ける状況を避ける
• 排尿時に倒れる場合：座って排尿する、尿を我慢しすぎないようにする

繰り返される迷走神経性失神がある場合、

薬物治療を行うことができます。

また、心臓の問題による一部の患者には

手術治療も行います。

代表的な例として、心拍を調節する

ペースメーカーの挿入があります。

通常、失神の頻度が年5回以上で

それによる外傷のリスクがある

40代以降の患者に勧められることが多いです。

また、失神しそうな感じがしたときの対処法として
「PCM」と呼ばれる姿勢を

とることが役立ちます。

具体的には、以下の方法があります。

• 足を組んで両足に力を入れる
• しゃがむ
• 拳を強く握る
• 両手をかけて引っ張る
   

これらの方法を使うことで、

失神を防止することができます。

さらに、高血圧や腎臓疾患・心臓疾患がなければ
1日に2〜3リットルの水を摂取し

6〜9グラム程度の塩を摂取することが推奨されます。

この疾患は命に危険が及ぶことはありませんが、
外傷を伴う危険な状況に陥る可能性があるため、
そのような状況を避けることが重要です。

特に一人でいるときには、

危険な状況に遭わないように

気をつける必要があります。

周囲の家族や知人に状況を共有することも

良い対策となります。

今日は健康な人でも突然倒れることがある

迷走神経性失神についてお話ししました。

健康な成人の約20%が経験する

非常に一般的な疾患であり、

この知識が役立つことを願います。

周囲で誰かが突然倒れた場合も、

驚かずに冷静に対処できるように

しておくことが重要です。

次回は、迷走神経性失神と異なるパニック障害や

起立性低血圧などについてもお話したいと思います。