6月に入りました。株式会社はこの亀谷です。
今日は、不安・恐怖・安心・希望・期待の関係性について考えてみたいと思います。
将来への不安って、誰にでもあると思います。
仕事のこと。お金のこと。健康のこと。人間関係のこと。
今すぐ何かが起きているわけではないけれど、なんとなく落ち着かない。なんとなく悪い方向に進みそうな気がする。そういう感覚は、多くの人にあるのではないでしょうか。
ただ、私たちは「不安だな」と感じることはあっても、その不安が何から生まれているのかを具体的に考えることは、意外と少ない気がします。
不安を消すためには、根性で前向きになるだけでは難しい。
まずは、不安という感情の正体を知り、それに対応していく必要があります。この記事が、自分の中にある不安
と少し向き合うきっかけになれば嬉しいです。
不安とか安心とかって、どういう状態なのか?
不安とか安心って、そもそもどういう状態なのでしょうか。
普通は「なんとなく不安」という言い方をすることが多いと思います。
この「なんとなく」というのが、実は不安の特徴です。
不安とは、未来がはっきり見えないことに対する感覚です。
何が起きるか分からない。悪くなるかもしれない。でも、何が悪くなるのかはまだ明確ではない。だから、不安があること自体は、ある意味ではかなり普通の状態だと思います。
未来は誰にも分からない。
分からないから、不安になる。
では、この不安はどのように変わっていくのか。
私の中では、次のような流れで整理できると思っています。
不安 → 恐怖 → 安心 → 希望 → 期待
それぞれを言葉にすると、こうなります。
不安:何が起きるか分からない。悪くなるかもしれない。
↓
恐怖:怖い対象が明確になる。
↓
安心:対象は怖いが、対処できそうだ。壊滅的ではなさそうだと思える。
↓
希望:そこから良くなる可能性が見える。
↓
期待:良くなる可能性が、具体的な結果や出来事として見えてくる。
この流れで考えると、恐怖の直後に来るポジティブ側の感情は「希望」ではなく、まずは「安心」です。
怖いものが消えたわけではない。
でも、対処できそうだと思える。
そうすると、ここで少し呼吸ができるようになります。
そして、その先に「もしかしたら良くなるかもしれない」という希望が生まれます。さらに、その希望が具体的な行動や結果に近づくと、期待に変わっていくのです。
たとえば、お金の不安で考えると分かりやすいかもしれません。
なんとなく将来のお金が不安
↓
老後資金が足りないかもしれない、という恐怖が見える
↓
でも、今の収支と積立額を見れば、何とか届きそうだと分かる
↓
このまま続ければ、将来の選択肢は増えるかもしれないと思える
↓
来年にはここまで資産が増えていそうだ、という具体的な期待になる
という感じです。つまり、こう整理すると分かりやすい。
不安の反対側にあるのが希望。恐怖の反対側にあるのが安心。
希望が具体的な対象を持つと期待になる。
もう少し言語化すると、
不安は、正体が見えない怖さ。
恐怖は、正体が見えた怖さ。
安心は、その正体に対処できると思えた状態。
希望は、その先に良くなる可能性を見られた状態。
期待は、その可能性が具体的な結果として見えてきた状態。
になります。
不安を乗り越える方法とは?
では、不安を乗り越えるにはどうすればいいのか。
結局のところ、ぼんやりした未来を、できるだけ具体的に見にいくしかありません。
ただし、このとき少し嫌なことが起きます。不安を具体的に見ようとすると、一度、不安が恐怖に変わる瞬間があります。
これは避けられないと思います。
なんとなく不安だったものの正体が見える。
すると、「これが怖かったのか」と分かる。
その瞬間は、少し怖い。
でも、そこを通らないと、不安はずっと不安のまま残ります。
いくつか例を挙げてみます。
体調不良の場合
なんとなく体がだるい。頭も痛い。原因が分からない。「ただの疲れかな。でも何か悪い病気だったら嫌だな」と思う。
この状態は不安です。
そこから病院に行き、検査を受けて、医師から「再検査が必要です」と言われる。この瞬間、不安は恐怖に変わります。
なぜなら、ぼんやりした体調不良が、「病気かもしれない」という明確な対象を持つからです。ただ、ここで終わりではありません。
病気の可能性が分かれば、次に何を調べるべきか、どんな治療があるのか、生活の何を変えるべきかが見えてきます。怖いけれど、対処の道筋が見えてくる。
そこに安心が生まれます。
仕事の評価の場合
最近、上司の反応が薄い。会議でもあまり意見を求められない。「自分の評価が下がっているのかな」となんとなく不安になる。
この状態では、まだ正体が見えていません。
でも面談で「今期の成果については、少し厳しく見ている」と言われる。
この瞬間、ただの気のせいではなく、評価が下がる可能性が明確になります。
不安だったものが、評価・給料・立場への恐怖に変わる。
でも、ここでも同じです。何が足りなかったのかが分かれば、改善できる可能性があります。
数字なのか、行動量なのか、報告なのか、期待値のズレなのか。
怖い指摘でも、具体が見えれば次の行動が決められます。
人間関係の場合
友人や恋人、仕事相手からの返信が遅い。
なんとなく距離を感じる。
「何か悪いことをしたかな」と思う。
この状態は不安です。
そこに相手から「この前の件で少し話したい」と言われる。この瞬間、不安は恐怖に変わります。
ただの返信遅れではなく、関係性が悪くなっているかもしれない対象が見えるからです。
相手に嫌われたかもしれない。信頼を失ったかもしれない。何か不満を持たれているのかもしれない。そう思うと怖い。
でも、相手の不満や違和感が分かれば、改善すべき方向も見えます。謝るのか、説明するのか、距離を置くのか、関係を作り直すのか。
正体が見えるということは、次の選択肢が見えるということでもあります。
不安は、具体にしないと扱えない
不安を解消する方法は整理すると、こうです。
不安は、正体が見えないから苦しい。
恐怖は、正体が見えたから怖い。
ただし、恐怖に変わることは悪いことだけではありません。
正体が見えるということは、対処できる可能性が生まれるということでもあります。
体調不良であれば、原因が分かれば治療の方法が分かる。仕事の評価であれば、何が足りないのかを知ることで、次に伸ばすべき部分が分かる。人間関係であれば、相手の不満を知ることで、関係を改善する方向性が見える。
もちろん、すべてが簡単に解決するわけではありません。
具体になったからこそ、苦しい現実を見ることもあります。
でも、ぼんやりした不安のまま抱え続けるよりは、具体的な恐怖に変えた方が、まだ扱いやすい。不安を解消するためには、その不安を直視し、そこにある具体を探り当てるしかありません。
そして、正しく恐れる。正しく恐れることができれば、次の行動が決められます。
次の行動が決まると、少し安心できる。
安心が生まれると、その先に希望が見えてくる。
希望が具体的になると、期待に変わっていく。
不安は、ただ消すものではないのだと思います。不安は、具体に落として、行動に変えるものです。
変化が多い世の中で、不安に駆られる日もあると思います。そんなときは、まず自分に聞いてみるといいかもしれません。
自分は、何に対して不安を感じているのか。
それは、まだ正体が見えていないだけなのか。
正体が見えたとして、自分にできることは何なのか。
不安を無理に前向きな言葉で上書きする必要はありません。
ただ、少しだけ具体にしてみる。
小さくてもいいから、次の行動を決めてみる。
それだけで、不安は少しずつ扱えるものに変わっていくのだと思います。
それでは、今週もお疲れ様でした。来週も粛々と頑張っていきましょう。






