GWも後半戦ですね。はこの亀谷です。
最近は、AIで自動化だ、AIで効率化だと、ずいぶん騒がしい世の中になってきました。
もちろん、自動化も効率化も悪いことではありません。
これまで人が時間をかけてやっていた仕事が、AIによって短い時間でできるようになる。これは間違いなく大きな変化です。
ただ、最近よく考えるのは、そもそも自動化や効率化を進めて、組織は何を目指すのか?ということです。
販管費を削減すること。
利益率を上げること。
少ない人数で多くの仕事を回すこと。
それだけのために、組織ってあるのでしょうか?
特にマーケティングの仕事は、人にかかる費用の比率が高い領域です。AIによる自動化や効率化の影響は、これから大きく受けると思います。
マーケティング会社という形も変わる。
それ以上に、組織運営そのものの形が変わる。
だからこそ、今は根本的な問題と向き合わないといけない時期なのだと思っています。
今日はそんな悩みを、少し棚卸しして整理する回です。
AIで仕事は楽になる。
AIと一緒に働くことで、仕事は確実に楽になります。
資料をまとめる。
文章を書く。
情報を整理する。
簡単な実装をする。
これまで人が行い、時間がかかっていたことが、AIと一緒に働くことで、かなり短い時間でできるようになってきました。この変化自体は、とても良いことです。
ただ、ここで分けて考えないといけないことがあります。
それは、仕事が楽になることと、人や組織が強くなることは、分けて考えないといけない。ということです。
むしろ、仕事が楽になるほど、人も組織も弱くなる危険があります。
何かをやめたら、次に何を始めるのか?
何かを減らすなら、その分どこに負荷をかけるのか?
そこまで考えておかないと、効率化したつもりで、気づくと組織の力そのものを削ってしまう可能性があります。
強くなるには、一度増やす必要がある。
仕事も筋トレも似たところがあると思っています。
身体を作るときには、まず増やす時期があります。
その上で、余分なものを絞っていく。
最初から絞ることだけを考えていては、強い身体になりません。
これは組織も同じです。
最初から効率化だけを考えていては、筋肉質な組織にはならない。
まずは、AIに仕事を任せながら、組織が扱える現実の範囲を増やす。
出来ることの幅を広げる。
顧客を見る。数字を見る。現場を見る。仕組みを見る。人の感情を見る。未来の変化を見る。
その中で、現実を見ることで生まれる思考の負荷を受け取る。
その上で、不要なものを判断し、削り、仕組みに置き換えていく。
増やしてから絞る。
この順番を経るから、組織は強くなります。
AIによって作業が減るのであれば、その空いた時間で、AIとの関係性を理解し、人がやるべき現実を見る時間を増やさないといけない。
楽になるために努力し、楽になった分を強くなるための余力に回す。
その責任をメンバー全員が理解し、負える。そこを設計することが、これからの組織運営では重要になってくると思います。
AI時代に残るのは「観測」と「判断」
AI時代に人に残されるのは、突き詰めると「観測」と「判断」だと思っています。
AIは一瞬で情報を整理します。
文章も画像もプログラムも作ります。
選択肢も出します。
過去のデータからパターンを見つけることも得意です。
でも、現実は一瞬では理解できません。
顧客も、市場も、組織も、自分自身も、時間とともに現実は少しずつ変わっていきます。その変化をAIだけでは見抜けません。この変化を見つけることこそが、現実を生きている人の役割です。
デジタルな世界で生きるAIとリアルな世界とのコネクターが人になる。
だから、これから重要になるのは、AIに作業を任せることではありません。
AIと一緒に現実を見る力。
観測し、仮説を立て、判断し、また現実に戻す力。
ここが人と組織の価値になっていくのだと思います。
人も組織も、楽になるほど弱くなる危険がある
一方で、AIが便利になるほど、人が雑になる危険があります。
これは既に起きている問題だと思います。
AIが返した文章を読まない。
前提を確認しない。
分かった気になって先に進む。
できた気になるが、評価できない。
これは個人だけの問題ではありません。
組織にも広がっていきます。
AIによって出力の量は増える。
でも、その出力を読む力、判断する力、実装する力が弱ければ組織としての価値は上がりません。
むしろ、見た目だけ仕事が進んでいるように見えて、現実との接続が弱くなる可能性すらあります。
だからAI時代の組織づくりは、「AIを導入すること」では終わりません。
AIによって増えた出力を、人間がどう読み、どう判断し、どう実装するかが問われるということを、全員が理解している状態を作らなければいけないのだと思います。
組織の価値は、現実の見方を増やすことにある。
AIでエージェントを組織し、価値の最大化を目指す時代になれば、人の集団である組織の必要性は、今まで以上に問われていくと思います。
一人でできることは増える。
外部の力も借りやすくなる。
AIに任せられる仕事も増えていく。
それでも、経営者として考えると、ここで組織の価値を出せるかどうかが、次の勝負のポイントになると感じています。
一人の人間が見ている現実には限界があります。
顧客を見ている人。
数字を見ている人。
現場を見ている人。
仕組みを見ている人。
人の感情を見ている人。
未来の変化を見ている人。
それぞれが違う現実を見ているから、組織には意味があります。
AI時代の組織に必要なのは、同じ作業を分担することではありません。
それぞれが見ている現実を持ち寄り、AIも使いながら、より良い判断に変えていくこと。そこに、これからの組織の価値があるのだと思います。
そして、その中で大切なのは、すべてを最初から正解にしようとしないことです。
誰かの観測が、別の誰かの判断を助ける。
一人では見えなかった可能性に、組織として近づいていく。
集団でいるからこそ、少し外れてもいい。
誰かが見落としても、別の誰かが気づける。
集団でいる意味は、作業を分担することだけではなく、現実の見方を増やすことにある。そう考えると、AI時代にも組織には、まだ大きな価値があります。
楽になる時代に、強い組織を作る。
会社という枠組みの意味が問い直される時代に、それでも集団でいる意味のある会社を経営する。
これが、今の私の課題であり、目標です。
お金儲けだけをやるのであれば、一人で十分かもしれません。AIを使えば、一人で出来ることもこれからさらに増えていくと思います。
しかし、一人で出来ることには限界があります。
社会の中で価値を作る。
お客様の現実を見る。
仲間の観測を持ち寄る。
それぞれの違う視点を、より良い判断に変える。
そこに、組織である意味を持たせたい。
AIで楽になる時代だからこそ、ただ楽になるのではなく、強くなる方向に進む。そしてみんなでいる意味を見出していく。
GW明けも、また粛々と前に進もうと思います。
皆様、良い連休を!

