not塩見孝也の矮小化、but矮小な塩見孝也 | メタメタの日

 私は塩見孝也さんのマイミクになっているので、氏の日記で、朝日新聞夕刊(220日)にインタビュー記事が載るということを知って、期待していた。

 記事を読んでみると、書かれている事実関係の方はだいたい知っていた。医師の家に生まれ(これは今回初めて知ったが)、京大の学生運動から赤軍派議長、そして19年余の獄中生活、出所後はカンパや妻の収入、本の印税に頼っていて、肉体労働や集団労働の経験はほとんどなかった。2年前からシルバー人材センターに登録して市営駐車場で働いていることも知っていたが、それが隣接の清瀬市であることは、今回初めて知った。

 しかし、記事は期待外れであった。本人も期待外れだろうと思ったら、日記には「気に入りました。生前葬の葬儀員にコピーして渡したい」とまで書いている。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1420305906&owner_id=3894679

 それで、次のようなコメントを送った。

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はじめてコメントします。

 朝日の記事は期待していたのですが、これでは塩見さんが矮小化されているのではないか、というのが第一印象でした。「革命家がはじめて知った働く喜び」とか「労働者はこういうふうに生きているんだ、そういう生活の現実は見えていなかった」などという記述には、そんなことも知らない者が革命の指導者であったとカリカチュアする意図が感じられました。これでは塩見さん本人も期待外れだったろうと思ったのですが、記事が気に入ったという感想が意外でした。それで、あらためてきちんと記事を読み直しました。

 確かに、記者には塩見さんをカリカチュアしようという悪意は感じられませんでした。真摯に原寸大の塩見さんを描こうとしています。そして塩見さん自身もこの記事を肯定し絶賛もされています。するとどういうことになるのか。塩見さんが矮小化されているのではなく、塩見さん自身が矮小だということでしょう。(暴言多謝)

 保阪正康さんの『東條英機と天皇の時代』を思い出しました。東條は、自決に失敗してアメリカ軍の治療を受けた際、MPたちの教育程度と見識に打たれて、アメリカデモクラシーの力を感じ、将来の日本もこの方向への改善が必要だと述べたということです。しかし、そんなことも知らない指導者が日本を戦争に導いたのかと驚きました。

http://ameblo.jp/metameta7/day-20070217.html

 記事にもどります。

「市井の人々の日々の営みに、慈しみを感じるようになった」とあり、塩見さんもこの記述を是認されています。しかし、「慈しみの感情」には「上から視線」を感じます。むしろ、地に足の付いていない革命家の存在を市井の人々の優しさが許しているのではないでしょうか。(再度暴言多謝)

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 ことばは己に返ってくるな‥‥


http://ameblo.jp/metameta7/entry-10083200410.html