Until the Hunter/Hope Sandoval & the Warm | 私的音盤幻聴記

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偏愛している音楽を中心に書きます。

前にHope Sandoval & the Warm Inventionsについて書きました。

http://ameblo.jp/metallo/entry-11756562774.html

Hope Sandoval という人は寡作だというイメージが強いのですが、気が付いたら去年新作が出ていたんですね…。

Hope Sandoval & the Warm Inventionsとしては2009年以来ですが、在籍しているバンドMazzyStarのアルバムが2013年に出ているので、感覚的に「え!もう出たの!」て思いました。

Until the Hunter(2016)/Hope Sandoval & the Warm Inventions

 

このHope Sandovalという女性ヴォーカリストの特徴は、少し舌足らずで少女のような声質、気怠そうな歌い方。曲調はゆったりとしたフォーク/フォークロックでサイケ感も強い。

これはMazzyStarで1990にデビューして以来共通していて、正直言って結構ファンである自分でも曲単位で聴くとどの時代のどのアルバムの曲か判断できない…。

 

そんな中Hope Sandoval & the Warm Inventions名義ではMy Bloody ValentineのColm Ó Cíosóigをパートナーとして、よりアコースティックな音楽性をやっている印象ではあった。しかしそれでもMazzyStarとの違いは微々たるもの…。

 

で、この新作も一聴して、前と変わらない今まで通りの音なのですが…しかし買って以来今までに無いくらい繰り返し聴いているのは何故なのだろう?

 

ダーク過ぎずキャッチーな面を感じるというのはある。

4曲目「LetMeGetThere」では男性とのデュエットでハッとなるような新境地。

それとFairport Convention等に通じるブリティッシュトラッド臭を今までで一番感じる。MazzyStarはアメリカのバンドであるのに対し、アイルランド人Colm Ó Cíosóigと組む事による違いが浮き出てきた印象。

Hope Sandoval自身がヴィブラフォンを演奏している曲が何曲かあり、鉄琴好きの自分はメロメロである…。

全体にクリアで見通しの良い印象が今までで一番ある、今までのアルバムでは、ズブズブと地中に潜り込んで帰ってこれなくなるような底なし感があったのに対し、これは最終的には地上の現実に戻って来れる安心感があるようで、それで繰り返し聴くに至っているのかな?

 

Bavarian Fruit Breadと並び現代アシッドフォークの名盤になる予感がしますよ。