最近は自分の音楽的ルーツにあたる1970年代末~80年代の音楽をよく聴いています~主にポストパンクとかニューウェイブとかオルタナティブとかにカテゴライズされるものです。
ウルトラヴォックスは80年代初めに流行ったニューウェイブ/シンセポップを代表するバンドという印象が強いと思いますが、今回紹介する1stアルバムは少し雰囲気が違います。
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Ultravox!(1977)/Ultravox!
パンクムーブメントが盛り上がっていた1977年に発表されたこのアルバムは、グラムロックやプログレからの影響とパンクの時代のスピード感やソリッドさが合わさったような音になっています。
グラムロックからの影響と言う意味では、元ロキシーミュージックのブライアンイーノがプロデューサーとして参加しているので直系?ですかね?
また80年代のウルトラヴォックスと雰囲気が違う理由としては、ヴォーカルでリーダーだったジョン・フォックスが78年の3rdアルバム後に脱退してしまい、代わりにミッジ・ユーロが加入してからヒット曲が出たので、一般的にウルトラヴォックスのヴォーカル=ミッジ・ユーロという印象が強いというのもあります。
特に印象的な曲は4曲目「I Want To Be A Machine」
アコギの弾き語りで始まりヴァイオリンが加わり中盤でバンドが加わるアレンジはかなりプログレ的、歌われる歌詞はタイトル通り「私は機械になりたい…」というもので何とも退廃的。
8曲目「The Wild, The Beautiful & The Damned」
終始ヴァイオリンが鳴り響いていて、これもプログレ的なんですが、ドラムは叩きつけるような叩き方、ベースもエッジの立った音で非常にかっこ良いビートの曲になっています。
そしてアルバムラストになる9曲目「My Sex」
後のアルバムで多用することになるシンセサイザーですが、この1stの時点では使用頻度があまり高くないです。しかしこの曲ではシンセが全面に出ていて強い印象が残る。ジョン・フォックスの歌も詩の朗読に近くてとてもクール。
少し余談になりますがウルトラヴォックスのようにシンセを多用するニューウェイブバンドって、デヴィッド・ボウイのベルリン三部作に影響を受けて出てきたんじゃないかと何と無く思っていたのですが、調べてみるとボウイの「Low」が77年1月発売、「Ultravox!」が77年2月発売、どちらにもブライアン・イーノが関わっていて制作時期も被っているようです。Ultravox!は「Low」ほどには先鋭的では無いし評価もそれ程高くないかも知れないけど、そういう情報を考えてみると中々面白い…もっと聴き込んでみたいと思いました。