グレゴール・ヨハン・メンデルはエンドウ豆を用いて遺伝の法則を発見したことで有名ですが、彼が次に選んだ材料がセイヨウタンポポであったことは、あまり知られていないのではないでしょうか。
グレゴール・ヨハン・メンデル(1822-1884)
エンドウ豆を用いた研究では画期的な成果をおさめたメンデルでしたが、彼はタンポポを用いた研究ではたいした研究成果をあげることができませんでした。その理由は、タンポポの独自の遺伝メカニズムにあります。タンポポにはメンデルの法則が単純には(場合によっては全く)適用できないのです。
以下では、何回かに分けて、私たちの身近な植物であるタンポポの知られざる生態とその恐るべき遺伝メカニズムについて、素人なりにがんばって調べたり考えたりしたことを書いていきたいと思います。