残暑お見舞い申し上げます。 | よしこのマンボウBLOG

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このブログは、生物学についてはまったくの素人であるよしこ(文系♂)が、マンボウの生態についてがんばって書いていく謎のブログです。

暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回はセミの話をしようと思います。


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セミといえば、「うるさい」、「短命」などのイメージがあります。
ただし、いろいろあらぬ誤解も受けているようです。

まず、比較的よく知られていることですが、鳴くのはオスのセミだけです。
メスは鳴きません。というか鳴けません。

成虫のセミのオスには、お腹に腹弁(ふくべん)と呼ばれる器官があり、これがセミが鳴くための発音器になります。
他方、メスのお腹には腹弁はなく、そのかわりに産卵のための器官がついています。

ごくまれにですが、「セミが短命なのは大声で鳴くことですぐに力尽きて死んでしまうからだ」という人がいますが、これではメスのセミの寿命を説明できません。

むしろ、セミのオスは非常に大声で鳴くことで比較的容易にメスとめぐりあうことができるため、長い寿命を必要としないと考えるほうが自然です。



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ただし、セミのメスはオスよりも長命であるという説もあります。
実際のところどうなのかは現在論争中だそうです。


また、よく「セミの寿命は一週間しかない」と言われますが、これも誤解です。

セミの成虫は鳥などの天敵に襲われさえしなければ、3週間から1ヶ月ほど生きるとされています。
一週間で死ぬというイメージは、セミは飼育が難しく寿命よりはやく死んでしまうことによるものと考えられます。

加えて、これはあくまで成虫の生存期間だということも忘れてはいけません。
よく「セミのように短く太く生きる」と言う人がいますが、これは幼虫の生存期間をなかったことにしてしまっています。

一般的なセミは幼虫の状態で2~5年のあいだ土の中で生活しています。
セミは昆虫のなかでも比較的長命な部類です。
アメリカには17年もの寿命をもつセミも存在します。

興味深いことに、「周期ゼミ」と呼ばれるこのセミは、きっかり17年(または13年)で成虫になり、大量発生するそうです。
周期年数が素数であることから「素数ゼミ」とも呼ばれます。



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周期ゼミ(英語名periodical cicadas)


一説では、素数年での同時発生は、捕食者が同期して発生する可能性を抑えるためとも言われています。

他にもいろいろ書きたいことはありますが、セミの話はこのくらいで終わりにします。


ちなみにですが・・・

成虫の生存期間が短い昆虫ランキングでまちがいなく上位にランクインするのはウミユスリカという昆虫で、羽化してから死亡するまで3時間足らずと言われています。

反対に、長命な動物と言えばカメやコイなどが有名ですが、意外なところでは寿司ネタでも知られるムラサキウニの寿命は200年以上だとか。



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数年前に発見された下の画像のアイスランド貝(享年400歳くらい)は、それまでの貝のギネスレコードである220歳を大きくぬりかえました。


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貝殻の年輪を数えることで年齢を測定することができるそうです。

ちなみにこの貝を採取したときはまだ生きていたらしいのですが、年齢を調べる際にはがした事で死んだそうです。