ヤフー知恵袋で次のような質問を見かけたことがあります。
「オレ、【エリーゼのために】を1週間で弾けるようになれました。ピアノ歴は1週間。すごいですか?(高1)」
この質問に3つの回答が寄せられており、そのうちのふたつが『すごいですね!』といったもので、あとのひとつが『たいしたことないんじゃないの?同じパターンのくり返しだし』というものでした。
しかし、最後の回答の方、そんなバカげた質問にまともに答える必要ありません。
エリーゼを1週間で弾けるようになった━━この話が本当なら、この少年は今頃“100年にひとりの超天才ピアニスト”として世界中のジャーナリズムの寵児になっていることでしょう。しかし、そんな天才少年の噂など聞いたことはありません(笑)
『1週間でエリーゼを弾けるようになった』━━これはおそらく━━
①単に大嘘
②出だしのミレ♯ミレ♯のところだけをかろうじて両手で弾ける
③メチャクチャ下手くそにもかかわらず、うまく弾けると思い込んでいる
━━この3つのうちのいずれかでしょう。
ちなみに私はピアノ歴3ヵ月の状態からエリーゼの練習を開始して、20日かけて最初から最後までをゆっくり弾けるようになれました。ここから通常のテンポ&曲想をつけて弾けるようになれるには、さらに数ヶ月の練習を必要とするでしょう。誰をとってみてもそんなものです。『ピアノ歴0でエリーゼを1週間で弾けた』などというバカな戯言を鵜呑みにしないでください。