限りなく残念な結果に終わってしまった2014年ブラジルワールドカップ。日本を率いたザッケローニは【名選手名監督たりえず】を絵に描いたような人物であるジーコとは真逆の経歴の人だったので、正直メチャクチャ期待を寄せていたのです。それが終わってみればあの結果なのですから、しばらく引きずらざるをえないほどの悪夢のようなワールドカップでした。
戦力的にもグループ的にも、日本は前回大会よりかなり恵まれていました。対戦する3カ国はFIFAランク的には格上なものの、3戦全勝もけっして夢ではない相手ばかりです。そして事実、コートジボワール戦とギリシャ戦は“勝てる試合”でした……。しかしザッケローニの監督力が足りず、日本は1勝もあげられませんでした。
男子サッカーのワールドカップがはじまる直前、日本サッカー界はふたつの金字塔を打ち立てています。それは女子サッカーです。
U17がワールドカップを制し、A代表がアジアカップを制しました。そのとき私は『2014年は日本サッカーの年になりそうだな』と胸を躍らせたものでした。
女子サッカーの勢いに乗って、男子のA代表もワールドカップで偉業を成し遂げてくれるだろうと確信していました。しかし、現実はそうはなりませんでした。
スクデット経験があるザッケローニは鳴り物入りで日本代表の監督としてむかえられ、初陣のアルゼンチン戦でいきなりの歴史的勝利をおさめます。その後もアジアカップを制覇、イタリアと互角の戦いを演じ、オランダと引き分け、ベルギーを破りました。
さて、ワールドカップではどこまで行けるかと期待したのですが、悪夢の結果に終わりました。まるでマラソンではじめの数分間だけ先頭を走るランナーのようです……。
そんな日本とは対照的な結果になったのがコスタリカとギリシャです。
本来ならワールドカップ前の親善試合でコスタリカを破った日本があのような感じになっているはずなのですが……。
また、コロンビアとの初戦を0━3で落とし、日本とも引き分けたギリシャがグループステージを突破してしまいました。
1敗1分けからのグループステージ突破という史上2カ国目の奇跡を日本は目指したわけですが、グループC最弱と目されていたギリシャにそれをやられてしまったのです。なにもかもが悔しくてしかたがないワールドカップでした。
しかし、日本の選手たちはなにも気を落とす必要はないです。今回はただ単に監督に恵まれなかっただけですから。ベスト8以上を狙える実力はまちがいなく日本にはありました。日本サッカーのワールドカップベスト8を目指す戦いははじまったばかりです。