サッカーとは地味な作業のくり返しのスポーツである | ギタリスター誕生~ギター500年の歴史がここから変わる~

ヤフー知恵袋に寄せられた質問
 サッカー中継の見所を教えてください。先日初めて試合中継(日本対コートジボワール)を通しで見ましたが、おもしろさが分かりません。どこに注目したらもっとおもしろく見られるのでしょうか?

 

 野球で育った世代でサッカーは観戦経験がなく、テレビ中継もニュース以外ではちゃんと見たことがありません。で、恥ずかしながら初めて試合中継を通しで見たんですが、どうも面白くなかったのです。パス回しはまだるっこしいし、漫画に出てくるようなドリブル突破もないし、シュートももっと打てば良さそうなのに、打たないし・・・(?)。もっとサッカーを理解していないと面白く見られないのでしょうか。

 

 オフサイド、コーナーキック、フリーキック、ペナルティキック程度のルールは知っています。野球に比べて点数が入らないので、ゴールシーンそのものが少ないことは理解できますが、ゴールシーン以外の見所、のようなものが良く分かりません。「ツートップ」とか「スリーバック」などという「システム」(?)も分かっているようで実はよく分かりません。選手もみな同じに見えて、誰が何をしているのかも今ひとつ分かりません。どなたか、「こんなところに注目すると、面白いよ」というような見所を教えていただけませんか?決してサッカーを馬鹿にしているのではありません、本当に知らないので教えて欲しいのです。よろしくお願いいたします。

 

 

 
弥勒の返答

 
 『ゴールシーン以外の見所』という言葉でわかるように、この質問者の方もやはりサッカーの最大の見所はゴールシーンだと思い込んでいるようです。

 

 
 サッカーに詳しくない人や観戦初心者は、誰をとってもそのような考えを持っていることと思います。これはきっとゴールシーンや個人技しか放送しないテレビのサッカー番組や、キャプテン●とかというくだらないサッカーマンガによるイメージのせいだと思われます。

 

 
 ゴールシーンというのはあくまで【FWのシュート技術を楽しむ】というだけのことであって、たくさんあるサッカーのおもしろい要素のうちのほんのひとつにすぎません。

 

 
 内容の薄いサッカー番組やキャプテン●とかというくだらないマンガの影響で、【サッカー=華やかでカッコイイ】というイメージを持たれていると思われますが、サッカーというのは実は地味な作業のくり返しのスポーツなのです。

 

 
 たとえば将棋。いうまでもなく地味な作業のくり返しのゲームですよね?サッカーも将棋とまったく同じです。

 

 
 将棋は知恵と技術をいかしてひとつひとつの駒を少しずつ前に進めていきます。いきなり飛や角を敵陣に攻め込ませたりはしません。意味がない上に不利になってしまうからです。

 

 
 サッカーもそれと同じで、知恵と技術をいかして少しずつボールを前に進めていくゲームなのです。CBはいかにしてボランチにボールを運ぶか?ボランチはいかにしてSHにボールを運ぶか?SHはいかにしてサイドを突破するか?そうした地味な作業を延々とくり返すのがサッカーです。そしてそれこそがサッカーの最大の見所なのです。

 

 
 将棋の対局の見所は、終盤の詰みに追い込むところだけではありませんよね?いかにして相手の手を上回って有利な状況を築けるかを考える中盤も最高におもしろいところです。サッカーもそれと同じだというわけです。

 

 
 1試合に数えきれないくらいの膨大なパスが蹴られますが、そのうち意味のないパスはひとつもありません。ひとつひとつのパスになんらかのメッセージが込められているのです。それを理解できればゴールシーン以外のパスを回してばっかりの時間帯を楽しく過ごすことができるのです。

 

 

 

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