2014年ブラジルワールドカップ グループC【コロンビアvsザックジャパン】後半 | ギタリスター誕生~ギター500年の歴史がここから変わる~

 同点に追いつかれたコロンビアは、後半からエースのハメス・ロドリゲスを投入してきます。そして試合は徐々にコロンビアペースになっていきます……。

 

 
 8分。長谷部からのタテパスを本田が受け、左斜め後ろからチェックにきた敵をひとりスルーパスでかわします。しかし前方のスペースが足りずにボールを奪われてしまいました。

 

 
 パスを受けて前を向いた瞬間、敵最終ラインのギャップに味方がふたりいたので、裏へのループパスを狙ったほうが無難だったかもしれません。また、シンプルに右サイドを使ってもいいでしょう。

 

 
 9分。左サイドでアリアスがフリーでボールを持ちます。しかし、いつまでたっても日本は誰も寄せに行きません。

 

 
 そしてアリアスはバイタルエリアのロドリゲスを使ってワンツーを試みます。しかしロドリゲスはワンツーはやらず、敵をひきつけてから左のマルティネスへラストパスを送ります。

 

 
 ボックス内。内田が反応してシュートコースを消すスライディングをしますが、マルティネスに狭いニアにたたきこまれてしまいました。コロンビア逆転。

 

 
 攻めのきっかけをつくったアリアスに、なぜか誰も寄せに行かなかったことが失点の原因です。

 

 
 12分。長谷部がバイタルエリアの香川にパス。受け取った香川はミドルシュートを放ちますが、大きくはずれて終わりました。バイタルエリアは狭かったのでしかたがない結果でしょう。

 

 
 ただ、長谷部には香川へのパスではなく、左サイドのフリーの味方へのスルーパスという選択肢もあったと思います。

 

 
 直後、中央の大久保がボックス付近やや左45度の本田にミドルパス。しかし、精度を欠いてしまいます。本田へのパスではなく、ペナルティーアークの味方に合わせたループパスか、バックパスがよかったように思います。大久保のチャンスメーク力の低さを感じます。

 

 
 19分。右サイドをオーバーラップした内田が、ワンツー突破から高速クロスを蹴り込みます。惜しくもゴールにはなりませんでしたが、内田が日本随一のクリエイティビティーの持ち主であることを痛感させられるシーンでした。

 

 
 21分。長谷部が意表をつくタイミングで香川へスルーパスを送ります。しかし呼吸が合いませんでした。ボックス内を引き裂くスルーパスだったので、通ればプルバックを狙えるチャンスになりました。

 

 
 24分。ボックス左のフリースペースに山口が入ってパスを受けます。しかし、背後から敵がマークにきたので自分での展開は無理と判断し、走ってきた味方に落とします。その選手はワンタッチでファーへクロスを送りますがうまくつながりませんでした。

 

 
 ワンタッチでのファーへのクロスではなく、いったんコントロールしてからボックス深くに侵入するプレーをしてほしかったです。

 

 
 直後、本田が中央からドリブルで仕掛けます。しかし長く持ちすぎてボールを奪われてしまいました。

 

 
 シュートは無理、ヨコパスも無理、裏へのループパスも単純すぎる━━こうした状況だったため、長く持ちすぎた本田の気持ちはわからなくはないです。

 

 
 26分。長谷部がバイタルエリアの香川にクサビを送ります。受け取った香川は倒されましたがファールにはなりませんでした。

 

 
 しかし香川へのクサビより、右の味方へのスルーパスのほうが無難にチャンスを広げられたと思います。

 

 
 29分。日本の選手が自陣でボールを奪ってロングカウンター。左、右、そして中央を走る本田と3つの選択肢。そのうちボールを奪った選手は本田へのパスを選択します。しかしうまくいきませんでした。

 

 
 敵が密集している中央より、右サイドへの展開のほうがよかった気がします。

 

 
 36分。本田のクサビがインターセプトされてカウンターのピンチ。コロンビアはボックス左のマルティネスにスルーパス。内田が戻って対応しますが切り返しの餌食に。吉田も戻ってスライディングタックルをしますが3点目をきめられてしまいます。

 

 
 38分。アタッキングサードの日本の選手が選手間のギャップにいる香川にスルーパスを送ります。それを香川はダイレクトでシュートしますが、GKを意識しすぎてはずれてしまいました。GKを超すループシュートを狙ってほしかったです。

 

 
 40分。右サイドからのパスを長谷部がワンタッチで裏へループパス。本来ならトラップしてから組み立てたほうがいいのですが、点差や時間帯を考えると正しい判断だと思います。

 

 
 43分。途中出場の柿谷がボックス左をえぐりますが、中には大久保ひとりいなかったためグラウンダークロスを送っても可能性が低いと判断したか、しかたなくマイナスへふんわりクロスを送ることにしました。もったいないシーン。

 

 
 直後、コロンビアは裏に抜け出したロドリゲスにスルーパス。吉田が対応しますが軽くかわされ、川島もループシュートで料理されてしまいます。引導となる4失点目……。

 

 
 47分。中央で本田がパスを受け、ふたりをかわしてから裏を狙う柿谷へスルーパスを送ります。しかし、読まれてインターセプトされてしまいます。もしも左に10センチずれていたら柿谷に通っていたパスでした。限りなく惜しい!

 

 
 48分。柿谷がボールを奪ってショートカウンター。ドリブルでボックスに侵入して敵GKと1対1。GKの左側を狙ったシュートを放ちますが止められてしまいました。これももしも左に10センチずれていたらきまっていたシュートでした。

 

 
 結局、1━1で前半を折り返したのですが、ロドリゲスを投入して本気を出してきたコロンビアの地力には歯が立ちませんでした。かくしてザックジャパンの冒険はここに幕を下ろすことになります。

 

 

ベストトシュート━━(前半)日本、岡崎の同点ヘッド。 

 

ベストタテパス━━(前半)日本、長谷部の裏へのロングパス。

 
ベストクロス━━(前半)日本、本田のクロス。

 
ベストインテリジェンス━━(後半)日本、内田のアーリークサビ。

 
ベストドリブル━━(前半)日本、岡崎の右サイド突破。

 
ベストファンタジー━━(後半)日本、内田のワンツーによる右サイド突破。

 
ベストディフェンス━━(後半33分)日本、山口のインターセプト。

 
ベストセーブ━━(後半)コロンビア、モントラゴンのセービング。

 
ベストプレーヤー━━後半から出場し、日本に引導を渡したコロンビアのロドリゲス。

 

 

 

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