宵山~詩仙堂 (京のにわか雨♪ 小柳ルミ子) | merveilleux777のブログ

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お花の教室…
メルベイユ、フルール
「素晴らしい花」主催


日常の中で感じたことをエッセイ、ポエムにして…♬

詩仙堂は 京都市左京区一乗寺にある


江戸時代初期の文人 「石川丈山」が建立した山荘


国の史跡に指定され 現在は曹洞宗の寺院「丈山寺」という



詩仙堂の由来は…中国の詩家36人の肖像を描かせ


図上に 各詩人の詩を 丈山自ら書いて四方の壁に掲げた


「詩仙の間」を 中心としているところからだという



詩仙堂は 凸凹した土地に建てられた住居で


建物庭園は 山の斜面に沿って作られている



入口には 「詩仙堂」石碑と 苔むした屋根


竹の門柱の「小有洞の門」



山道の石段を登っていくと 竹林から  


木漏れ日が 足元を照らし


まだら模様に 映し出され…



参道の登りつめた所 垣根づたいに  

風情漂う「老梅関の門」

門をくぐると 眼鏡のようにみえる  風変わりな窓



建物の中に入ると 詩仙の間



床の間には 祇園祭の花といわれる檜扇の葉合わせが 厳かに活けられていて

庭の景色と交互に  床の間のいけばなを拝見すると… 


気持ちは 時を超えて~  詩人 丈山のおももちに…♬



そこに 老夫婦が床の間の檜扇に関心をもたれ

お婆さんは 見慣れない花が気になったのか 

受付の人に聞きに行かれたようで 説明を受け

笑顔でお爺さんに嬉しそうに話されている情景を 目にして…




お花を愛でる ひたむきな花への好奇心…

多少耳が遠くなっている  老夫婦の会話…

お爺さんの 優しくうなづく相槌…
 



ほのぼのとした  二人の仕草に心癒やされ

園水の流れる水音… その近くにムクゲの花が咲き…




丈山が 三十数年の余生を楽しんだ 風景を眺めながら

ゆったりとした 時を…




外庭も拝見できるというので 門を通り抜け石段を下ると

庭に繋がる 奥行きのある細い道…



石垣には 自然が作り出した 苔やシダが張り付き

いつか旅先で見た 滝のシダの石垣が 目に浮かぶ…



滝が流れこむ浅い池の側には


「ヒメヒオウギスイセン」 草丈長く 赤い花が目に付く

日本へは 明治中期 南アフリカから渡来したといわれ…




実家の庭に 昔から咲いていた花


それは「キンギョソウ」と 母から聞き伝えで

先日も 花瓶に活けたばかりの花…






滝の音のする方に目をやると 

そこには「カンゾウ(萱草)」~ワスレグサ属

ユリ科のオレンジ色の花に 出会うことに…



夏山の湿原を 鮮やかな黄色で彩る「ニッコウキスゲ(禅庭花)」

新潟の「トビシマカンゾウ」や佐渡の「ヤブカンゾウ」などと同様

忘れ草の仲間で 短歌に記して…




面ぎぬの  にほいに  漏れて

その瞳  すすり泣くとも

空いろに  透けて  葉かげに

今日も咲く  わすれ草   
 

 ~北原白秋~ 


木漏れ日照らされた  大きな葉の中から 長い茎を伸ばし

薄紫色の花が 顔をのぞかせている「ギボウシ」



大株の葉は脇役でなく  立派な主役にもみえる



綺麗な緑の苔に目をやると 

そこには紫の「キキョウ」が…



キキョウは 古来より美しい花として愛され 

鮮やかな紫色が目をひく 星形の花びら☆


万葉の時代から 高貴な花とされ…




アジサイも見頃過ぎでも 鮮やかなブルーや白が


満開のアジサイより 少々控えめなアジサイも 趣があって…



水によくあう黄色の「キンシバイ」☆

眩い太陽の輝きに ぴったりな花!



遠目でも 色鮮やかで美しく… 

向日葵のような 派手さはないにしても

花色と葉色が 夏の太陽を感じさせてくれる♬



池から続く  緩やかなせせらぎを渡ると…

つる性植物の女王「テッセン」☆



テッセンのつるは 

鉄でできているかのように 強いことで知られている


初夏を代表する 凛とした花!




京の宵~ 詩仙堂…


花も少ない この季節に 

昔ながらの和花が  色とりどり

華やかさに  心踊るわけでなく  昔から馴染みのある花

強い主張はせず  さり気なく 

水辺に静かに佇んで  そっと咲く花達




昔懐かしい香りと共に  心に咲いている  思い出花…

思わず出会えた  お寺の静寂と共に  心静まる




山の斜面に沿って建つ  詩仙堂…

滝の音のする庭園  十二景の美しさが

絵となり  丈山の詩心を思う




春のさつき  秋の紅葉  冬の山茶花   
 
初夏の紫陽花  夏のムクゲやテッセンと 

四季折々に…

涼しげな夏花が  水辺に佇み  

心にしみいる  夏の宵☆彡