「ロボット・イン・ザ・ガーデン」東京公演 | きみcomブログ

きみcomブログ

文章を書いたり絵を描いたり。
猫とミュージカルと英国が大好き。

秋晴れの東京へ、日帰りで
出かけてきました。

 

 

 

 

 

今回の目的は観劇です。

 

 

劇団四季の新作ミュージカル

「ロボット・イン・ザ・ガーデン」。

 

自由劇場に来るのはずいぶん久しぶり。

 

 

座席は最前列から数列は開けてあるものの

今月からは左右も前後も普通に

お客様が入っていました。

 

 

飲食はできないということでしたが

自販機は使えたので

休憩中にロビーの隅で

立ったまま水やお茶を

飲むのはOKみたいです。

 

 

当日のキャストボード。


 

 

 

「ロボット・イン・ザ・ガーデン」は

近未来のイギリスを舞台に

庭で拾ったロボット・タングを修理するため

離婚危機にあるベンが、タングとともに旅をする物語。

 

 

シリーズ化されている小説が

原作で、四季オリジナルミュージカルとしては

ずいぶん久しぶりの製作なんですね。

 

 

外部から主要なクリエイターを招いていますし

振付に松島さん、演出助手に西尾さん、とか

劇団内での世代交代も進んでいるのが

伺えます。

 

 

 

人間そっくりのアンドロイドが

生活に溶け込んでいる世界という設定ですが

きっちり科学的なSFというより

おとぎ話とかファンタジーに近い感じ。

 

 

ポスターの絵柄から

ファミリーミュージカルかと思ったら

けっこうきわどいセリフもあったりして

「へー」ってちょっと新鮮でした。

 

 

田邊さん演じる主役のベンは

両親の事故死がもとで

無気力になっているイギリス人。

 

 

野心にあふれる弁護士の妻・エイミーから

愛想をつかされそうになっています。

 

 

そんな時、庭に迷い込んだ

ロボット・タングを修理するために

世界を旅するのですが、

実はタングにはある秘密が・・というお話。

 

 

ポスターの絵によく似た

パペットのタングは役者さん二人で

動かしているのですが

最初に面白いなと思ったのはその動き。

 

 

タングは機械なのに、座ったりじっとしている時、

意識的に呼吸している動きなんです。

瞼もあるしレンズの目がきらきらして

まるで生身のよう。

 

 

外見は汚れていても

中に入っているAIは非常に優秀、

なによりベンとともに成長する

「子供に近い存在」って

ニュアンスを大事にしてるのかな。

 

 

タングは

人間に奉仕するロボットではないので

わがままを言ったり、濡れたら体を拭いてもらったり。

体験から学んで成長していくので

ベンの動きを真似したり

雨が降って傘で遊ぶ場面などは

ホントに小さい子みたい。

 

 

ある意味、ベンも大人になりきれない人なので

(そのへんのダメ男ぶりがホントはもっと

すさんでないといけないんでしょうが

四季の役者さんではちょっと真面目すぎ?)

旅を続ける中で、一緒に成長していく

子供二人って感じでしょうか。

 

 

タングはとってもかわいいし

笑いがおきる場面もあったけど

ファミリーミュージカルでないとなると

なーんか、驚きとかひねりが少ないというか

前半がちょっとダレるし

終盤前の結末のつけ方がやや安直な気も。

 

 

ラストシーンはすごくほっこりしますから

それはそれで良いのですけど

近未来にしては・・?って感じもあります。

 

 

子供さんを連れていきにくい表現

(アンドロイドとエッチするらしい

いかがわしいホテルとか)は

たぶん原作にあるんでしょうけど

あえて残す必要があったのかなあ。

 

あれがなければ単純に

ファミリー向けで推せるのに。

 

 

逆に完全な大人向けなら

ラブシーンは時節柄やりにくいとしても

もっと夫婦間の皮肉なセリフとか

ブラックジョークで

(原作がイギリス人ならもっとキツいはず)

大人をにやりとさせていいのかも。

 

 

と、物語や演出には

もやもやもあるけど、

すごく良いところもあります。

 

 

それは楽曲。

曲がどれもとても綺麗で

あとで資料を見たら

河野伸さんは沢山のアーティストや

映画、ドラマ、CMに曲を提供している

新進気鋭の作曲家さん。

 

 

「おっさんずラブ」とか「恋はつづくよどこまでも」など

ここ数年話題になったドラマでも作曲と編曲を

担当し、各方面で大活躍の方だそうです。

 

 

河野さんは若い頃、劇団四季の

キーボード演奏でアルバイトをしたことが

プロに進むきっかけのひとつだったそうなので

そのへんのご縁から来てるのかも。

 

 

歌やダンスが安定してるのも

四季さんらしい魅力ですね。

 

 

それと

キャスト表には例えば萩原さんや野中さんは

ひとつの役のみ担当みたいに書かれていますが

実際はいくつもの場面で登場するので

四季ファンはすごく楽しいと思います。

 

 

少しだけどハギーの端正なスーツ姿と

ダンスが見られるし、野中さんが結構なスピードで

踊るシーンあるし、迫力のソロもあるしで

私にとってはこれだけでもうお値段以上(笑)。

 

 

タングを役者さん二人で操演するのは

すごく大変だと思うけど

細かいところを見ると

もっと楽しめそう。

 

 

来年春には福岡公演も予定されています。

 

 

が、

その前に!

 

 

この作品は、劇団四季初の試みとして

11月22、23日の昼公演が

有料ライブ配信されます。

 

 

劇団四季の会員でなくても利用できますので

(観覧料3800円)

興味のある方はぜひこの機会に

ご覧ください。

 

劇団四季公式HP→
「ロボット・イン・ザ・ガーデン ライブ配信について

 

 

 

 

観劇が終わって、空港に向かう頃には

もう夕暮れ。

 

 

コロナのこともあるので

短時間の日帰り東京旅ですが

久しぶりのミュージカル観劇で

いろんなエネルギーを

充電した一日でした。