恥ずかしい話です。
夏河が中学生だった頃の話です。
夏河は、毎年 ある女の子からチョコを貰っていました。
たぶん好意があったのだと思います。
夏河も、その子が好きでした。
だけど、何も進展しないまま
二人は会わなくなってしまいました。
相手は毎年チョコレートをくれていて…
（手紙まで添えて…！）
自分も、その子が好きで…
それなのに、なぜ
何も進展がなかったのかというと
夏河に、ある、馬鹿らしい こだわりがあったからでした。
〝下心〟を持ってはイケナイ。
それが、私の心を縛り付けていた こだわりでした。
そんなクダラナイこだわりのせいで、好きな女の子を棒に振ったのか…！
馬鹿だな～～～～～
って思うでしょうか。
だけど、当時の夏河は
笑われてしまうかも知れないけど
真剣に悩んでいたんです。
好きだったその子に、近づきたい気持ちがあるんだけど
そんな気持ちを持っては、イケナイことなんだという
強い〝制限〟が自分の中にあったので
何もすることが出来ないまま
（してあげることが出来ないまま）
中学・高校という時間が流れてしまった。
夏河が好きだった、その女の子は
中学・高校と、６年間もチョコレートを渡し続けてくれて
高校を卒業して２０歳の頃まで
チョコレートをくれた。
（その後、音信不通になった）
ほんとうに馬鹿なことをした、と今でも思っている。
相手の心も、どれだけ傷つけたろう…と思っている。
だけど、恥ずかしい話
自分の〝制限〟を、どうすることも出来なかったのでした。
今、当時のことを振り返ると
気づくことがあります。
それは
自分は本当は〝下心〟を出すことが出来なくて
女の子に近づけなかった訳じゃ、ない
ということ。
自分が、好きだった女の子に、近づけなかった本当の訳は
本当の本当の理由は…
〝本当の自分〟を見せたら、嫌われてしまうんじゃないか？
という、強い恐れを持っていたからだった。
下心を見せられなかったのは、
〝本当の自分〟を見せてしまったら、嫌われてしまうんじゃないか？
と恐れていたからだった。
そして、その程度で自分は
嫌われる存在なのだ…と
自分のことを、信じられていなかったから。
そして、相手のことも信じていなかった。
信じることができなかったから
近づくことが、できなかった。
だけど当時の自分は、
そんなことが、まるきり分からなかったから
ただただ、思い通りにならない現実に
苦しんでいた。
下心があるとか、
ないとかじゃなくて
ただ、素直な自分を、相手に見せられるかどうか。
ただ、自分の思っていることを
（気持ちを）
相手に伝えられるかどうかなのだ。
恋愛で必要なのは、ここだけだと
私は思っている。
自分の本音をまっすぐに伝えられないから
いらぬ回り道をしたり、
テクニックを使おうとしたりする。
だけど最後は、やっぱりここに戻される。
〝素直な自分を相手に見せる〟に戻ってくる。
恋愛で大切なのは、
自分の気持ちを、相手にまっすぐ伝えられるかどうか。
伝えることができる、自分であるかどうか
だけなのだ、と
私は思っているし、感じています。
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