前回のこの記事▼からの続きです。
この美術展は終了していますが、淡々とレポを続けます。
展示内容は、
・二人の素描の比較
・絵画と彫刻のどっちがスゴいか論争に関して
・書簡のやり取りに見る二人の個性の違い
など、
常に両者を比較する形で展示が進んでいきます。
これまでに 私が持っていた、
レオナルドとミケランジェロのイメージは、
二人とも、風変わりで、
人と接することが苦手という面が、似ている印象。
でも、今回の一連の展示を見学し、
レオナルドの方が、より難しい気質という気がしました。
・・・気がしただけで、
もちろん、実際のところは身近にいた人にしか
分からないことだけど、
ミケランジェロは、けっこう気さくな様子を連想させるエピソードが紹介さていたのが印象的でした。
弟子をモデルにしたデッサンもいくつか残っていたし、ミケランジェロのデッサンの裏面に、弟子が残したと見られる落書きがあったりして......
ちょっと和んだ。
レダや、円形(トンド)の聖家族のマリアさまのデッサンのモデルも、弟子の男性だった件も 興味深かったです。
ミケランジェロは、筋肉の構造を究極まで追求するから、女性でも男性っぽくなってしまう、とされるけれど
男性モデルでデッサンして、仕上げるときに女性に転換しているから、そもそもが男性っぽいというのもありそうだと思った。
「レダと白鳥」のレダの頭部とされる素描(拡大)
メインの部分は、男性モデルのデッサン
左下、目と鼻筋の部分だけ書き直す
まつ毛を長くして、女性らしい目元に変える
のちに焼失される レダの頭部とされる
*****
ヴァザーリの言葉が紹介されていました。
「ミケランジェロの作品だけが、浮き彫りのような立体感を与えられている。完ペキな素描とは何かを証明しているようだ」
たしかにな〜〜〜と思った。
「ヴァザーリ」とは、これの筆者です。
芸術家列伝3 ― レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ (白水Uブックス1124)
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マニエリスム期の芸術家であり、美術史家。
ルネサンス期の美術展の解説などでは、よく、ヴァザーリの言葉が引用されます。
*
前半には、いくつものデッサンが並んでいて、
中には、システィーナ礼拝堂の作品他、完成作の図を知っている作品の素描もあり、
心の中でかなり盛り上がってしまいました。
わたし、そこまで「ミケランジェロ好き」ってわけではないのに!!
(つづく)
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