きらびやかな衣装に身を包んだ男女が
トランプゲームをしています。
「ダイヤのエースを持ついかさま師」
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール作 1635年
召使いの女性を含めた、向かって左側の3人が
意味ありげな視線を交わしています。
左の男は、後ろ手にダイヤのエースを
隠し持っています。
一番右側の、あどけなさの残る青年は、
いかさまゲームで騙されていることに
少しも気づいていないようです。
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「いかさま師」というタイトルのインパクト、
美しく、技巧に満ちた描写、
容易に想像が及ぶ場面設定など、
現代の私たちにとっても、楽しめる作品です。
作者(ジョルジュ・ド・ラ・トゥール)は、
主に、宗教画を中心に描いていた画家ですが、
なぜか、この絵だけが突出して
日本でも人気が高いようで、
私が知っているだけでも、2度、東京に来ています。
絵画のテーマとして、暗示的に、
享楽、散財、現世的な楽しみを戒める意味があります。
新約聖書における「放蕩息子」的なストーリーを
連想する人もいたはずです。
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ルーヴル美術館の、シュリー翼3階、
少々見つけにくいところに展示されていますが、
見学時間に余裕があれば、
ぜひ探しに行ってみてくださいね。
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内田ユミ
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