消費者に必要な科学的知識

やっと空間除菌グッズの広告について、消費者庁が効果なしとして措置命令を出したそうです。

罰金などを取られるわけではないので、何億円も儲けた会社は得をしているし、買った消費者がリコールを要求できるわけでもありません。

私はこれらのグッズをテレビで大々的に宣伝しているので知りましたが、塩素系の気体が出るということで、そちらの害の方が気になりました。

塩素系の気体は発がん性があることで知られていて、水道水の塩素投入はかなり問題になり、今はやっと利用者の口に入る時にはかなり少なくなるように調整され、多くの人はさらに浄水器を付けたり、飲料水を買ったりしています。

そういう人たちが、インフルエンザの菌を除菌できると信じ込んで首から何かをぶら下げたり、部屋に塩素系気体が出るものを置いたり・・・

不思議に思っていました。

インフルエンザの菌はどんどん耐性が出てきて、手を洗う際にもかなり念入りに洗わなければいけないと言われているのに、そんな簡単なことで除菌できるはずはないと早くから警鐘を鳴らす人はいなかったのかと思ってしまいます。

先日は、やはりテレビで、果汁１００％と謳った高額で売られているキウイジュースが実は３０％程度で、これも排除命令のみで、それまでに儲けた数億円は業者の儲けのままだということを聞きました。

その業者は果汁１００％と謳ったマンゴージュースも売っていたのだけれど、そちらは実際は２０％前後なのだったそうです。

ゴーストライター騒動があり、そこから例の細胞の件があり・・・

消費者は自分である程度判断する力がなければいけないと思います。

そのために教育があるのだけれど、ある調査では、「学校に行きたいと思う」国別ランキングで日本は最下位だとか・・・

勉強が嫌いでやらなかったと自慢気に言う有名人がとても多いことも気になるところです。

また教育機関にも問題があるようですね。

あの有名な大学が、コピペだらけの博士論文を通してしまっただけでなく、論文を書いた本人がコピペをしてはいけないと知らなかったと堂々と言うのには飽きれて物が言えませんでした。

おまけに、論文に書かれているものとは違う細胞を使って新しい発見をしたと堂々と世界に発表してしまう・・・

化学がわかる人だったら、あの発表はおかしいとすぐにわかるはずだと思ったのに・・・

一方、中途半端な知識で「食べる酸素」を批判した文がネットに残っているので、ちょっと迷惑にも思っています。

誰でも質問ができ、誰でも応えられるサイト・・・

応えている人が知識人とは限らないのですが、それが信用されてしまうことが多いようです。

血中酸素が増えるということで、血液中で酸素の気体がブクブクと出ると思い込み、そんなことはできるわけない、インチキなサプリメントだと言いきっているわけで・・・

食べる酸素を飲んでいれば、呼吸をしなくて大丈夫なわけではない・・・考えればわかることだと思うのですが・・・

ですから、水泳などで苦しい思いをしている方たちにとても楽になると喜んで頂いている一方で、全然楽にならないと言い切る方も時々いらっしゃいます。

そういう方は、息を殆ど吐いていなくて、肺に二酸化炭素が溜まり切っているわけです。

呼吸をとめているのと同じ・・・

また運動に見合っただけ空気を吸い込めない人も多いことに驚かされます。

食べる酸素は、ヘモグロビンのような酸素を受け取って運ぶ受け皿が増えるわけなので、日常生活では浅い呼吸でも十分に役目を果たしますが、激しい運動をすると、必要な酸素量も増えるだけでなく発生する二酸化炭素の量もとても多いので、二酸化炭素の多い空気を吐き出し、酸素の多い空気を吸い込むという呼吸動作をしっかりしないと、増えた酸素運搬機能も空回りしてしまうわけです。

だから、正しい呼吸をしている方には、食べる酸素をしっかりとご理解頂けている・・・ということになります。