海外での日本人差別、リアルな話 | 銀座一丁目の英語発音教室「メントール」のブログ

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海外での日本人差別、リアルな話


私は某マンモス大学の経済学部で、アカデミックライティングの講義を教えています。

別の某マンモス大学の理工学部で教えているもう一つの専門分野、ブランド戦略の講義の時もそうなのですが、科目の主題以外にも、人として、日本人として生きていく上で大事(だと私が思っていること)も教えます。

AIが出てくる前も出てきてからも全く変わらずに教えているというか、主張していることは、ずーっと変わりません。


・自分の脳みそと感性を使って考える。

・人や有名な人、権威とされている人が言っていることを鵜呑みにせず、まず考える、疑う。

・私が言っていることも「それは果たして本当か」と疑う。何か疑問があれば遠慮せずに聞く。適切に質問する質問力と好奇心を鍛える。


・上記の主張や、頭に浮かんだことを、言語化して相手がわかるように言えるようにする。

これが基本で、できた上で「英語でもそれができると、オーディエンスが広がる」。でもまずは母国語での思考力が大事。

と一貫して伝えています。

そんな授業ですから、ただアカデミックライティングのテクニックやブランド戦略の蘊蓄など、本やネットを見ればわかることだけで終わらせたりしません。

教えるだけでなく、彼らが何をどう感じて、考えているのかもできるだけ聞くようにしています。



単純に興味があるのと、コロナ禍のリモート講義が続いている中で、若者は大人に関心を向けてほしいと思っていることを実感したからです。

講義というのは一方通行ではなく、相手に伝えたことがどう咀嚼されて血肉になっっているのか、はたまたなっていないのか確認することが不可欠。

そのためには、学生たちの言うことを聞いてみるというプロセスは欠かせません。

今日のアカデミックライティング講義では、ハラスメントや差別の一形態として、昨今起きている宝塚問題に関する
BBCの記事


を読んでグループディスカッションと発表をしてもらいました。

宝塚の問題を通して、何が問題で、どうしてそれが問題だと思うのか、解決するためにどのような選択肢があり得るのか、同じような価値観を持っているクラスメイト同士でグループに分かれてディスカッションして、発表してもらいました。

私のクラスでは、ただ講義中に見てくれが良い発表をするなんて付け焼き刃なことだけして終わらせたりしません。

そのディスカッションと発表をもとに、毎回英文エッセイを、それもアカデミックライティングのお作法を取り入れて書いて提出してもらいます。

自分で言ったことを、文字に起こして初めてしっかりと自分のものになるからです。

私のクラスでは、Chat GPTはもちろん、翻訳や英文チェックのAIサービスも積極的に紹介し、うまく活用するスキルも強化しています。

どうせみんな使うんだから、禁止するんじゃなくて、うまく使いこなす方法を積極的に教えていく。

それが私のやり方です。若者に「アッ」と言うような画期的な使い方をして驚かせてほしいと思っているのですが、中年の情弱世代と思われている私の方があいにくまだまだ圧倒的に勝っているようです(笑)

(笑)じゃないか。本当に勝っています。
AIネイティブ、ITネイティブと言う若い世代の人たちに驚かされてみたいなあ。

と夢見ながら、使い方をせっせと毎日開発しております。

さてタイトルの内容に行き着くまで長くかかりましたが、差別の話を書きます。

外国人とのミックスで日本生まれ日本育ちの学生、外国から来ている外国人の学生など数人ですが純日本人ではない学生がいます。

いい機会なので、異文化というかちょっと違うバックグラウンドの人の話をなるべく聞いて、学生たちに刺激を受けてもらおうと、ことあるごとに色々質問しています。もちろん、プライバシーや本人の気持ちには十分配慮をした上で、ですが。

今年の受講生の中に、お父さんがフランス人のミックスの学生がいます。今回の講義テーマが差別やハラスメントだったので、昨今話題になっている「フランスなど、ヨーロッパで日本人が受ける差別」について聞いてみました。

彼がフランス人全体のことを知っているわけではないのは承知の上ですが、実際のことを知っている人から一次情報を聞いてみたかったのです。

彼曰く、フランスに来た日本人に侮蔑的な発言をしたり差別的な態度をとるのは、程度の低い若者や、知性がない人だけで、ちゃんとした人たちはそんなことはしない、と言っていました。

でも、実際にネットなどで出ているような差別は存在する、と教えてくれました。

また、フランス人とかイギリス人は自分たちがアジア人より上だと思っている人がいると聞いているが、それについてどう思うかも聞いてみました。

確かにそういう人はいるけど、僕の父(フランス人)はそんなこと思ってないし、自分もフランス人と日本人のミックスだけど、心は日本人だ、ときっぱり言い切っていました。

こういう自分の意見をはっきりしっかり言える若者を見るのは、嬉しいものですね。

彼は、英語をちゃんとできるようになりたいらしく、春学期の最初の時に留学や、TOEFLの勉強方法について相談に来てくれました。

そして、メキメキと実力をあげています。

目の前で毎週伸びていく若者を見るのは本当に嬉しいものです。

大学で講義をしていると、日本亡国論を唱える頭の悪い大人が哀れで仕方なく思えます。

とはいえ、全ての若者がやる気に満ち溢れているわけではないので、引き続き私は小うるさい「脳みそ使え!」おばさんとしてギャーコラギャーコラ叫び続けようと思います。

この間、アメリカとイギリスの大学教授らとAIをどうやって活用し、学生たちに使わせるのかについてディスカッションする機会がありました。

私のスローガン #useyourbrain (脳みそを使え) #useyourimagination(想像力を使え) を教えてあげたら、とても感銘を受けていて、研究室のホワイトボードに書き込んでくれました。訪れた学生に訴えるそうなので、私のスローガンは世界に広がっていうかもしれません。


ああ、今日も2コマの講義疲れたー。
でも、近頃立て続けに会った悲しい死亡ニュース、Buck-Tick アツシの死に続いて、X Japan のベーシスト、Heathの死亡の悲しみを一瞬忘れられました。

悲しい時は脳みそをたくさん使うに限る。

私の悲しみとは多分全然次元が違うけど、YOSHIKIが忙しくしているのは、悲しみを一瞬でも麻痺させるためなのではないかと推察します。

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