お正月期間、久々に映画館で映画を見ました。
そのうち1本は、「ノッティングヒルの洋菓子店」というイギリスを舞台にした映画。
私はとても好きな映画でした。
ストーリーも好きでしたが、海外旅行に行った気分になれたのが何よりの収穫でした。
こういう映画見ると、焼き菓子とかパンとか作りたくなっちゃう。
学生時代はマーヒーだった(というか勉強しなきゃいけないのに勉強してなかった)ので、料理ばかりしていて、お菓子もよく作っていました。
私は何でも手作りする祖母が小学校5年生の時に亡くなるまで一緒に住んでいたので、幼稚園生の頃からお菓子作りや普段の料理のお手伝いをしていて、小学校に上がる頃には例えばドーナッツを食べたくなったら家にある材料で勝手に作ったりしていました。
電車に乗って中学受験のための塾に行くようになると、地元に売ってない外国のお菓子の材料などを青山の紀ノ国屋(当時外国輸入品を総合的に扱っているスーパーは麻布ナショナルマーケットと紀ノ国屋くらいでした)に買いに行ってまで作ったり、
お菓子の本に載っているレシピでわからないところがあったら、巻末に載ってる出版社の電話番号に電話をかけて質問をするというとんでもない小学生。
っていうかマーヒーか。
お菓子を焼くときの甘い匂いとか、香ばしい匂いはDNAレベルで刷り込まれているのです。
映画見ただけで、焼いた時のオーブンの香りを想像して幸せな気持ちになれます。
ところで、ミルクレープをご存知ですか、貴方は?
そこいらの幼稚園児でもカルパッチョやらやらベシャメルソースやらという小洒落た西洋料理の名前を知っている昨今、少し気の利いた大人であれば、ミルクレープを知らないという法はないでしょう。
でも、恥ずかしながら知らないという人がいるといけませんから、念のため説明します。
ミルクレープとは、、、、、
説明がメンディー(めんどくさいのギャル語。最近用法をマスターしつつあります)なので、画像を検索してごらんなさい。
ミル
mille
はフランス語で1000枚の意味。
1000枚大根ならば、
ミル大根
になるというわけです。
カブの千枚漬けとかも好き。
日本語だけど。
フランス語でもなけりゃ英語ですらない話。
ミルフィーユは、1000枚の葉っぱのようにパイ生地が重なっているからミルフィーユ(フィーユは葉っぱ)ミルフィーユってわけです。
もうおわかりですね?
ミルクレープは、1000枚クレープ。
つまり、暇人が作るお菓子なのです。
しかも、フランス語を使ってますが、日本人が考えたお菓子です。
一般的なフランス人はミルクレープなんて知らないし、売ってません。
↓日本って外国のあらゆる特殊なものが手に入るから、こんな勘違いをしがち。↓
人間の拳みたいにゴツゴツした大きい泥まんじゅうみたいなチョコレートマフィンを売るのが好きなアメリカあたりでは滅多に作る人がおらず、ニューヨークに住む私の姉などは、日本にたまに帰ってくると血眼になってミルクレープを漁っています。
で、洋菓子店が舞台になっているかの映画には、「抹茶のミルクレープ」なるものが出てくるのです。
イギリスのノッティングヒルというのどかな街にある小さな新しいお菓子屋さんは、小洒落たお菓子をたくさん並べるものの、閑古鳥。そこで集客のため、「あなたの故郷のお菓子、リクエストをいただければ作ります」と看板を掲げます。
ある日、日本人という設定の女性が飛び込んできて、「抹茶のミルクレープを作ってくれたら買う」と言うのです。
見様見真似でどうにか作るパティシエ。
薄ーいクレープを焼いては重ね、焼いては重ねるという地道な作業が続くミルクレープ。
作りながら「(こんな手間がかかるお菓子を作った)日本人はきっと暇なのね」と呟きます。(細かいことは覚えてませんが確かそんな感じ)
どうして抹茶のミルクレープという設定になってしまったのか分かりませが、とにかくミルクレープという手間のかかるお菓子は暇な日本人が作るものということが世界レベルで知られてしまいました。
抹茶のミルクレープは存在するかもしれないけど、全くマイナーな存在です。
何年か前、ニューヨークのトランプタワーだかどこかに入ってる高級カフェで見たっきり。日本ではお目にかかったことありません。
名前は1000枚だけど、実際には20枚程度のクレープとクリームやフルーツを重ねて作るとてもメンディーなケーキ。
手間ひまを誇張した名称になっていると言わざるを得ないでしょう。
しかし食べるのはあっというまです。