おはようございます。
今日は、企業のリスクマネジメントとして「従業員の健康管理問題」に関する視点から、労働安全衛生法安全配慮義務について学びます。


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試験対策の暗記部分は2点です。
労働安全衛生法違反刑事罰に問われる
安全配慮義務に違反した場合は民事上の損害賠償責任

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以下は解説です。

労働安全衛生法違反刑事罰に問われる

労働基準法第42条には、「労働者の安全及び衛生に関しては、労働安全衛生法の定めるところによる」と、記載されています。

従業員の健康管理問題に関する公法的規制として「労働安全衛生法」が1972年に制定されました。

労働安全衛生法は、「職場における労働者の安全と健康を確保する」ことなどを目的に制定されました。

労働安全衛生法関連法(「じん肺法」「作業環境測定法」「労働災害防止団体法」)等は最低の労働条件基準を定める取締法規であり、違反した場合、一定の範囲で刑事罰に問われます。

≪参考≫労働安全衛生法従業員の健康管理の問題に関して義務付けられている条文

59条 衛生教育の実施
62条 中高年齢者等に対する配慮義務
65条 作業環境測定義務
65条3 作業の管理義務
66条 健康診断実施義務
66条5 健康診断実施後の措置義務
68条 病者の就業禁止に係る措置義務


安全配慮義務に違反した場合は民事上の損害賠償責任

安全配慮義務
の明文化は、2008年3月施行の労働契約法です。

労働契約法 第5条
「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」

企業が労働安全衛生法上の諸規定を遵守していた場合でも、別途安全配慮義務違反として民事上の損害賠償責任を問われる可能性があります。

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体調良く試験日を迎えましょう。
無理はNGです。
疲れたら休みながら、学びましょう♪
急に寒くなりましたね。
外の空気は冷たいですが、青い空が広がっていて爽やかな朝です。
今日の午前中は、うつ病に関するDVDを観ました。

タイトルは、「うつ病」 第1巻 うつ病って何だろう です。
社会福祉法人 NHK厚生文化事業団の福祉ビデオシリーズです。
こちらのDVDは第1巻から第3巻の3巻セットです。
今日は、そのうち第1巻を観ました。

第1巻は約70分間の映像です。
時間が短く感じられるほど、興味深い内容でした。

「うつ病」について、理解が広がる内容だと感じました。
事業場向けの研修会や、個人的な勉強会等でDVDを多くの方々に観て頂ける機会を作りたいと思いました。
今日は、職場のメンタルヘルスにおいて、「対応が難しい」という現場からの声が多く届いているケースについて検討します。

「メンタルヘルス不調と見られる労働者を、医療機関への受診につなげるには、人事労務担当者や管理監督者は、どのように対応したら良いのか?」

⇒職場管理上、問題となる行動が認められる場合、事例性に基づき、本人に受診を促します。(事例性とは、職場において周囲や本人が困っている状態であることを指します)

事例性の具体例を紹介します。

・遅刻・早退・欠勤が増えた
・体調不良が続いている
・仕事のミスが増えた
・仕事中に居眠りをするようになった
・仕事の効率が著しく低下した
・職場内でのトラブルが増えた

労働者の職場での様子の変化が「メンタルヘルス不調によるものである」と推測される場合には、本人に産業医との面談や、病院の受診を促すことが必要です。

その際のポイントは、
「上司は、いつもと違う部下の様子を把握し、本人に心配していることを伝える」ことです。

「うつ病みたいだから、病院を受診したほうがいい」と伝えてはNGです。

「うつ病みたい」という表現は避けなければなりません。

「うつ病」かどうかは、病気であるか否かの医学的判断(疾病性)です。

職場の管理監督者が受診を勧める場合は、疾病性でなく、先に挙げた事例性に基づいて対応します。

例えば、「最近、体調が悪く欠勤が続いているね。とても心配しているよ。病院を受診してみてはどうだろうか」等の声掛けが考えられます。

この場合の「最近、体調が悪く欠勤が続いている」という文言が「事例性」です。

しかし、本人が受診を拒否する場面も実際に見られます。

本人が受診等を拒否する場合には、職場側から家族と連絡を取ることを本人に伝え、本人が同意した上、家族に連絡を取り、事情を説明します。そして家族の理解を得て、受診につなげます。

しかし、本人が家族への連絡を拒む場合も考えられます。
状況にもよりますが、できる限り本人の了解を得て家族に連絡を取ります。

プライバシー配慮の問題の要点は3つあります。
①本人の了解をもらう
②自傷他害の恐れがある場合、本人の了解を取る努力をしながらも、本人の了解が取れなくとも、家族への連絡が出来る(プライバシー配慮よりも緊急性が優先する)
③家族に連絡を取り、家族い受診の必要性を理解してもらい、家族から本人へ受診をするように説得してもらう

職場が家族と連絡を取る際に、本人の了解をもらうことが前提ではありますが、自傷他害の恐れがある際は本人の了解が取れない場合であっても、本人の了解を取る努力をしながらも、早急に家族に連絡を取る必要があります。

もし本人が受診を拒否するだけでなく、家族も受診させることに同意しない場合は、原則として職場の関係者が本人を強引に受診させることは出来ません。

以上です。
本人が受診を拒否する場合の対応をまとめました。

実際には様々なケースが見られます。
職場の担当者(管理監督者・産業保健スタッフ・人事労務担当者等)は緊急時の対応に備えて、専門機関との連携を確立することが求められています。

その準備として、私がおすすめしていることは、「相談できる機関の連絡先リスト」を備えることです。

例えば労働局安全衛生課、労働基準監督署、保健所、地域産業保健センター、メンタルヘルス対策支援センター、精神保健福祉センター、専門医療機関の一覧表を作成し、機関の名称、住所・電話番号・受付時間帯と曜日を記載しておくと良いでしょう。