(※訪問時期が5月上旬の時間差更新です。)
岩手県釜石市のご当地ラーメンとして知られる『釜石ラーメン』。
『釜石ラーメン』は程よいコシのある「極細の縮れ麺」と「琥珀色に透き通った醤油味の淡麗スープ」が大きな特徴ですが、統一基準は無く提供店ごとにそれぞれのスタイルがあるとのこと。
釜石ラーメンの振興と地域の活性化を目的に、2011年11月に設立された「釜石ラーメンのれん会」が作成している釜石ラーメンマップによると、釜石ラーメンの歴史について以下のように書いてありました。
賑わいのあった昭和30年代頃は、店の周辺にはハーモニカ長屋(六間長屋)と呼ばれる製鉄所の社宅があり、給料日には出前も多く、当時では一杯30〜50円のラーメンを家族みんなで食べるのが贅沢な楽しみだった。製鉄所が栄えることが釜石のラーメン文化の発展に寄与してきたと言ってもよい。
さらには古くから漁港が栄え、多少せっかちだが羽振りの良い漁師たちが闊歩していた繁華街では、この「待たせないラーメン」が知らず知らずのうちに浸透していったという説を唱える人もいるようだ。
このように、釜石ラーメン文化の成り立ちと進化は、麺やスープそのもののカタチだけに頼るのではなく、提供する側の茹で加減までも配慮する姿勢や、食べる側の気性や好み等を総合した地元の人びとに合ったラーメンの「提供方法の確立」とも言える。
古き良き時代を背負ってきた釜石人が守り続けてきた企業城下町の歴史と誇りが隠されており、食の進化の軌跡でもある。
2021年4月に作成された最新の釜石ラーメンマップには33店舗が掲載されています。
提供店はラーメン店や中華料理店に限らず、一般食堂やそば・うどん屋など様々なお店があります。
釜石ラーメンについては発祥の店として知られる老舗店「新華園本店」に行ったのみで、今回4年ぶりに釜石市を訪問。
夜に訪れるも、行きたかったお店の候補は全部閉まっているという悲劇。
翌日に朝から営業しているお店を探し、今回訪れたのがJR釜石駅の待合室内にあるお店『そば処釜石』。
こちらは2020年11月末日で閉店した「そば処釜石」を、昭和24年創業の「株式会社川喜」が引き継ぎ、メニューや使用原材料を見直して2020年12月30日に新たにオープンしたお店。
朝8時から営業している立ち食いスタイルのそば屋ですが、意外にも看板メニューはそばではなく『釜石ラーメン』だそうです。
店名は看板や「株式会社川喜」の情報を見ると『そば処釜石』ですが、釜石ラーメンマップや食べログなどでは『そば処釜石駅店』と書いてありました。
今回は車で行きましたが、駅横に1時間無料で利用できる駐車場がありました。
この日は祝日の火曜日、お店には朝8時過ぎに訪問。
この時先客は2人のみで空いていました。
注文は券売機での食券購入。
様々なそば・うどん類にラーメンも色々ありました。
個性的な名前の「リアスラーメン」は地場産のめかぶを乗せたもので、「ラガーラーメン」はピリ辛の味噌ラーメンですかね?
今回は普通の『釜石ラーメン』を注文!
【釜石ラーメン】480円(税込)
あっさり醤油スープにチャーシュー、メンマ、ネギとシンプルなトッピング。
スープは化学調味料無添加で煮干し出汁がメインだそうです。
ほんのり甘さを感じる和風の味わい。
麺は国産小麦粉と北上山系伏流水を使用して作られる、釜石ラーメンらしい極細の縮れ麺。
最初はシコシコとしたコシがあり、少し伸びやすいですが柔らかくなっても美味しかったです。
そばやうどんを食べるのと変わらないくらい優しいラーメンで、朝にピッタリの一杯でした。
ご馳走様でした!
そば処 釜石駅店
0193-24-2671
岩手県釜石市鈴子町22-5 JR釜石駅構内
https://tabelog.com/iwate/A0304/A030402/3005380/