滋賀県のご当地グルメの一つ『近江ちゃんぽん』。
ちゃんぽんといえば長崎ちゃんぽんが何より有名ですが、長崎ちゃんぽんとは異なる特徴を持つ「ご当地ちゃんぽん」が全国各地に存在しています。
近江ちゃんぽんの元祖は、昭和38年創業の彦根でうどんやそばをメインに提供していた『麺類をかべ』という小さな食堂。
しかし他にも近江ちゃんぽん元祖を掲げるお店があり、こちらは全国にもチェーン展開を行なっている有名店『ちゃんぽん亭総本家』です。
どういう歴史なのか気になったので、お店に記載されていた情報や、公式のホームページ、ネットでの情報などをまとめてみたところ、ちゃんぽん亭総本家もルーツは「麺類をかべ」とのこと。
昭和61年にちゃんぽん亭総本家の創業者が「麺類をかべ」の一部店舗を引き継ぎ、昭和63年に屋号を「麺類をかべ」から「ちゃんぽん亭をかべ」に変更。
屋号を「ちゃんぽん亭総本家」に変更したのは平成16年のことだそうです。
ちゃんぽん亭総本家については、公式ホームページや、運営会社である「ドリームフーズ株式会社」についてWikipediaでも情報がまとめてありました。
しかし私は当事者ではないので、あくまで真偽については不明です。
近江ちゃんぽんの特徴については以下のようになりますが、長崎ちゃんぽんと比較すると、大きく異なるちゃんぽんだということがよくわかります。
①麺は唐灰汁を使ったちゃんぽん麺ではなく、かんすいを使った中華麺を使用。
②とんこつや鶏ガラなどの白濁したスープではなく、鰹と昆布を基本とした和風出汁で作られたスープ。
③具材にはエビやイカなどの海鮮は入らず、基本は豚肉と野菜のみ。
④調理方法は中華鍋で炒めるのではなく、手鍋で煮込んで作る。
⑤お酢を入れて食べる。
美味しくて健康的な一杯をお客さんに届けたいという想いから、京風出汁をアレンジしたスープに野菜や豚肉などを入れて手鍋で煮込み、中華麺と盛り付けて提供したところ、美味しいと評判になったことが誕生の背景だそうです。
ちゃんぽん亭総本家は近所にも店舗があるくらい馴染みのあるお店ですが、元祖である『麺類をかべ』は現在でも彦根市銀座町で営業しており、今回初めて行ってみることにしました。
お店の場所はひこね芹川駅が最寄りで、徒歩10分ちょいの距離。
彦根駅からは徒歩20分弱。
駐車場が店舗裏にあると食べログには書いてありましたが、よくわからなかったので、今回はすぐ近くのコインパーキングへと駐車しました。
現在の店舗は、2012年に1度閉店した後、2013年に移転して復活したものだそうです。
この日は祝日の月曜日、お店には開店直後の17時過ぎに訪問。
先客はおらず空いていました。
メニューはちゃんぽん、ラーメン、焼きそばなど、麺類が中心のラインナップ。
こちらのお店では「近江ちゃんぽん」はなく「彦根チャンポン」と書いてあります。
滋賀のご当地ちゃんぽんとしては、「近江ちゃんぽん」という呼び名の方が今は主流で、「近江ちゃんぽん協会」という、普及促進を通した地域おこしを目的とする団体も2012年に設立されています。
元々近江ちゃんぽんは彦根で誕生したので、最初は彦根ちゃんぽんと呼ばれていたのですかね?
今回は1番基本のチャンポンを注文しました。
【チャンポン】700円(税込)
ほとんど油が浮かない綺麗な黄金色のスープに、具材は野菜、豚肉、キクラゲなどがたっぷりと山盛り。
和風出汁の旨味が効いたとても優しいスープ。
野菜は水っぽい感じではなく、しっかりスープの味が染みていて美味しいです。
麺は中細くらいの太さで、コシはほとんど無い柔目の茹で加減ですが、スープとの馴染みは抜群!
結構ボリュームがありましたが、麺量よりも野菜が中心なのであっさりと食べられました。
同行者が食べていた「令和チャンポン」はエビ、イカ、アサリなどの海鮮が具に入っていましたが、こちらの方が濃い旨味のスープでより美味しかったです。
長崎ちゃんぽんも野菜たっぷりで栄養満点ですが、こちらはよりあっさりでヘルシーなちゃんぽんという感じ。
そもそもちゃんぽんというよりは、タンメンに近い印象を受ける麺料理でした。
他にも近江ちゃんぽんを提供しているお店はいくつかあるので、また色々巡りたいと思います。
ご馳走様でした!