フィッシュストーリー/伊坂 幸太郎
¥1,470
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勝手に採点 ☆☆


表題を含め三篇の短編集。


森見氏同様、もういいかげんにして欲しいという感じ。


これといったストーリーがないため説明しずらいが、
意味のない空虚な会話やエピソードのオンパレードで
読む気が失せる。


本人はカッコ良い、洗練された物語を書いているつもり
なのだろうが、登場人物に生々しさがなく、人形がつま
らないおしゃべりをしている印象。


当初の作品はそれでも十分引き付けられたが、全く進歩
しないところが大問題。


リアルな心理描写や緊迫感、スピード感のあるストーリー
展開、読者を関心させるほどの謎解きなど、ひとつで良い
のでここが良かったと思わせる何かが欲しい。


東野氏が単なるミステリー作家から大きく脱皮して新しい
読者層を獲得したように彼にも奮起を期待する。

新釈 走れメロス 他四篇/森見 登美彦
¥1,470
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勝手に採点 ☆☆


有名作家の短編小説を題材に森見登美彦が独自の世界観
と解釈で再構成した新しい試みのオムニバス集。


もういいかげんこのノリは辞めて欲しい。


ストーリーや登場人物、エピソードなど「夜は短し」や
「太陽の塔」と酷似。


無気力でモテない大学生や一風変わった彼女、詭弁論部や
演劇学生の登場など、どれも新鮮味に欠け中身がない。


最初は楽しく読めた少々古典的で屁理屈めいた文体も飽き
ると共にストーリーへの集中を妨げる。


感動的でも示唆に富んでるわけでもなく、やたら京都の街
並みを濫用して「京都がホームグラウンドだぞ!」的に主
張が鼻につく駄作。

一人二役/河本 準一
¥1,365
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勝手に採点 ☆☆☆☆


人気お笑いコンビ次長課長の河本準一が、これまで
の半生を母との数々のエピソードで綴る自叙伝。


とにかく母の愛情と母親への愛情が溢れている。


なんと、最近でも母親と風呂に入るらしい。
それも違和感なく。


題名も離婚した父親の役割をずっと担ってきた母へ
の感謝の気持ちが込められている感じ。


北島三郎似と揶揄しているものの。


それと意外だったのは、画面でみる限りそんな気配
はないが、河本自身かなりのスポーツマンで運動神
経が抜群だったこと。


中学、高校とバレーボール、野球、サッカーに真面目
に取り組みとかなりの腕前だったらしい。


すべらない話でもよく語られる母親のユーモア溢れた
行動には爆笑させられる。


聞いたことのない方はぜひご一読を。


また、早くに離婚した父親と最近になって和解したエ
ピソードは感動的。


そんな彼に一言いいたい。


今の家庭、奥さん、子供を大事にして自分が味わった
苦労を子供に味わせないこと!!

シャドウ (ミステリ・フロンティア)/道尾 秀介
¥1,575
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勝手に採点 ☆☆☆☆☆!


癌で妻・母親を失ったばかり父親・我茂洋一郎と息子・凰介。


彼らの近所に住む洋一郎の親友で級友・水森と妻の瞳、娘の
亜紀は、妻同士も大学の同級生、子供同士も小学校の同級生

という文字通りの家族ぐるみの付き合いだった。


しかし、瞳の自殺から運命は急展開を見せ、事態は意外な方
向へ展開していく。


プロットが素晴らしい。


若干騙しうちの感は拭えないものの、それでも洋一郎の行動
に関する二重の仕掛けはまんまと騙され優れた着想に感服。

もうひとつキモは亜紀への暴行トリック。


これはもっと騙しうち臭く感心しない。後だしジャンケン。


それでもここまで引き付けどんでん返しを食らわす筆力は
やはり賞賛されてしかるべき。


もうひとつうまかったのは文章構成。


登場人物各人の一人称の視点で区切られているため、読者
が感情移入しやすく物語り全体を把握しやすい。


驚くほど巧妙な仕掛けと衝撃のクライマックスに満足でき
ること請け合い。

銃とチョコレート (ミステリーランド)/乙一
¥2,100
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勝手に採点 ☆☆☆


久々の乙一作品。


名探偵とそれに憧れる田舎の少年を主人公に繰り広げられる
ゴシックファンタジー。乙一の新たな世界観が広がる。


独特の時代・世界設定が秀逸。


敢えて例えるならシャーロックホームズに近いのだろうが、
この設定で最後まで乗り切るのはかなり難しい。


だが、物語としては勧善懲悪に徹していない分、中途半端
感が否めない。とはいっても勧悪懲悪でもない。


悪さ加減を煽っておいて尻すぼみで終わってしまうので読者
にとってはフラストレーションが溜まったまま。


悪人の名探偵にはそれ相応の報いが必要。


また、ラストにかかる展開も奇抜さ・独創性に欠け期待を
裏切られる結果に。


なんでそんな程度のオッサンの犯行が見抜けなかったのか?
詳しく説明して欲しいところ。


優れた構想の割りに平凡な中身に幻滅を覚える一作。

カニバリズムの系譜―なぜ、ヒトはヒトを喰うのか。/池田 智子
¥1,575
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勝手に採点 ☆☆☆


古今東西の人肉食い話を集めた奇譚集。


あくまで筆者が調べて読んだものなので生々しさ緩和され
ているのでご安心を。


やれどこがおいしいとか、まずいとかの味の話をはじめ
古代中国で起ったあんなこと・こんなこと、アメリカの連
続殺人はどう言ったこう言っただのという感じ。


タブーに対する背徳心からかこういった話題は避けがちで
あるが、一方で興味をそそられる部分も多い。


それにしても思うのは中国6千年の歴史は奥深い。

夜は短し歩けよ乙女/森見 登美彦
¥1,575
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勝手に採点 ☆☆☆


独特の世界観を持つ森見ファンタジー。


強烈にモテない大学生とかなり変わった後輩の
女子大生の恋愛模様と彼らを取り巻く変人集団
の奇想天外な奇行を描くワンダーランド。


雰囲気的には「太陽の塔」に酷似。


京都の町を舞台に繰り広げられる「ええじゃな
いか」騒動に近いヘンテコな出来事が全編にわ
たって散りばめられている。


例えば、変人の爺さんとの飲み比べや大食い競
争、学園祭での象の尻、移動演劇などなど。


ただ、京都になじみがなく、ここまで飛んだ内
容だと感情移入することも理解することも難しい。


なぜ文学界では彼が評価されているのだろう?


それでも次回作は少々気になるところが彼の
力量か。

小説こちら葛飾区亀有公園前派出所/大沢 在昌
¥1,050
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勝手に採点 ☆☆☆


大沢在昌や東野圭吾などの人気作家が人気長寿マンガ「こちら
亀有公園前派出所」を短編小説に取り入れた話題作。


端的に言ってしまうと両さんは小説のなかでは生きられない!?


各作家とも両さんを真面目な小説のなかに押し込めようと苦闘
しているが、どれもうまく行っていない。


彼の破天荒な生き様は、やはりマンガの世界でしか成立しない
ということ。


それでも新宿鮫との共演は歴史に残る。


鑑識課の藪の幼馴染という設定で、両さんの実家に鮫島、晶、藪
で押しかける場面は見物。両津のおふくろさんまで登場。


しかし、お互いにいつもの調子が出ていなく、大人しい印象。


それと印象に残ったのは、退官した警官が両さんの作ったプラモ
に触発され、自身がプラモ作りにのめりこんで行く様を描いた一編。


結局両さんはラストでちょっとしか登場しないし、内容、主人公も
地味ながら、丁寧でひたむきな姿勢が共感できる。


試みとしては斬新で楽しいものなので、ぜひブラックジャックや
ドラえもんを主人公に小説家して欲しいもの。

ツレがうつになりまして。/細川 貂々
¥1,155
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勝手に採点 ☆☆☆☆


サラリーマンだった旦那さんとマンガ家の奥さんが
主人公。それと息子とイグアナ。


生真面目でリストラの荒波をかいくぐった旦那さんを
待ちうけていたうつ病。


会社を辞め、療養を続けようやく回復に向かうまでの
出来事をおもしろおかしく描いている。


奥さんの優しい絵のタッチがほのぼのとした愛情を
感じる。


現実にはもっとシビアだったのだろうが、奥さんの
前向きさと明るさがそれをカバー。


ワイドショーをにぎわしているかの横綱もそうだが、
絶対になりそうもない人でさえ、極度のストレスにより
うつ病になり得る怖さ。


世間的にもようやく理解が進んできたうつ病やストレス
だが、やはり当事者になってみないと分からない苦悩が
あるように思える。


周囲の理解と愛情こそが妙薬か。