- 著者: 市川 拓司
- タイトル: いま、会いにゆきます
勝手に採点 ☆☆☆☆☆
すでに映画化され、先頃ドラマ化も決定した超話題の純愛小説。
妻・母に先立たれた父子に訪れる運命の悪戯。
悲しみを乗り越えた矢先の突然の出来事に戸惑う二人。
最愛の人の再来に嬉しさと一抹の不安を覚えながら過ごす日々。
この出来事は現実なのか幻なのか?
涙、涙、涙・・・。
涙なくしては語れない究極のラブストーリー。
あまりに不器用な生き方しかできない父と息子。
その現実離れした生活ぶりにまず驚かされる。
車も電車もエレベータも乗れないなんて。
小まめにメモを取らないと、どんどん忘れてしまうなんて。
喫茶店で自分の考えに没頭してしまい、
夜まで映画館に置き去りにされた子供の気持ちを思うと
胸が締め付けられる。
二人とも髪はボサボサ、服はヨレヨレで臭く、家の中も荒れ
放題の毎日。でも、そんな荒んだ環境を救ったのが死んだ
はずのママ。
やっぱり小さな子供にはお母さんの温もりがなくてはならない。
ほんの短い瞬間だったけど、また会えた喜びはどれほどか。
その微笑ましくも意地らしい三人の新生活が、いつまでも長く
続いて欲しいと心底願わずにはいられない。
そして突然訪れる当然の帰結。
当事者として感情移入してしまい、言い知れぬ深い悲しみを味わう。
奥さんの独白も印象的で効果的。
悲劇的な不幸によって大きく狂う人生にも果敢に立ち向かう強さと
勇気と優しさ。
思いがけず二度の別れを経験した父子のこれからが幸福なもので
あって欲しい。








