- 藤沢 周平
- 凶刃―用心棒日月抄
勝手に採点 ☆☆☆
シリーズ第4作。
前作から16年後の設定で、主人公青野又八郎も40代中盤。
用心棒稼業も懐かしく感じられるほど、藩の要職につき生活
は安定し、子供の成長を喜ぶ普通の父親となっていた。
そんな折、江戸へ半年ほどの役目を言い渡され、出発を控え
ていたころ、重臣から藩の秘密組織「嗅足」に関するある命令
を江戸にいる「嗅足」の女頭領佐知に伝えるよう打ち明けられる。
するとその重臣が何者かによって暗殺され・・・。
藩の秘密とやらが、藩主の側室の出生に関するもので、かなり
込み入った話であるため、ストンと腹に落ちてこない。
前シリーズと異なり、推理小説仕立て、謎解きに力点が置かれ、
又八郎と敵との暗闘や町人の暮らしぶり、用心棒の雇い主に
まつわる秘話などは触れられないか、かなり端折られている。
藩命を受けた又八郎が佐知と共に秘密を守るストーリーと、用
心棒稼業で生計を立てるエピソードが絶妙に絡まりあって奥深
い物語に仕上がっていただけに残念。
又八郎や佐知、そして細谷なども年を取ってしまい、目まぐるし
い活躍を見せられなくなってしまったということか。
それでも、二人のひとときの逢瀬や貧乏暮らしが続く細谷の生活
ぶり、新しい助っ人など登場人物は魅力満点。
ぜひ続編を期待したいところだが、ここで絶筆になっているのが
惜しいところ。








