突然、俺の前に現れた
年配の女性…
俺を見つめたまま
その人は静かに語り始めた…
風に吹かれて…『重い現実…』
『私の娘もここが好きでよく来てた
みたいなんだよ。仕事とか嫌な事が
あると海を眺めて…
少しでも、気持ちが落ち着くんだね。
しばらく前にここに来たとき
一人の男性に会ったって言ってた
その人も海を眺めてたって…
私と同じだって思って
声をかけたみたいなんだよね。
ほんの少しの時間だったけど
楽しかったって話してたよ…
その、一人の男性ってあなたなの?』
俺は、名前も知らない女性の事だと
すぐに分かった…
たぶん俺の事だと思い
その年配の女性に伝えたが
なぜか、そのあと沈黙の時間があった
そして、年配の女性が
『私の娘はあなたに会いたくて
何回もここに来てたみたいなんだよ…
それなのに全然会えないって
いつも寂しそうな顔してた…
でも…。』
突然、話しを止めた…
また、しばらく沈黙の時間…
『でも…。
もう、ここには一人ではこれないよ…
今、娘は病気で車椅子だから……』
その言葉を聞いた俺は
なんて言っていいか分からない…
あまりにも突然すぎる話しで…
その人は話しを続けた
『一人では自由に動けないから
今はいつも家にいるんだよ…
あなたとはどんな関係か
分からないけど…
悪い人には見えないから
もう一度会わせてあげたい…』
俺は言葉が出ない…
最初に会ったときは元気だったのに…
そんな話しを聞いても想像もつかない…
年配の女性はうつむいてる…
そんな人に病気のこと…
娘さんの名前…そんなこと聞けない…
俺にとって想像もつかないことでも
その人からすれば重い現実…
そんな人に気安く声もかけられない…
『携番聞いていい?
今日のことは娘に話すから
もし、娘が会いたいって言ったら
会ってあげて…
その時は私も一緒だけど…』
突然聞かれた…
俺は会っても何もしてやれない…
ただ会うことしか…
その人には一応連絡先を教えて
その日は帰る事にした…
俺は会って…
何をしてやれるか…
どうすればいいか…
答えが出せないまま
時間が過ぎていく…
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