MRIの日程が妻の出勤日となっており、自分のクルマで一人で運転して脳神経外科内科の病院まで行く事になった。
妻はえらく心配し、大丈夫かなぁ、と自分一人の運転を気にかけてくれた。
通勤の毎日通う道ではない事が、今だに自分一人での運転を憂いているのだ。
妻は言う、単独事故ならいいけど他人を巻き込んだら、と取り返しのつかない事にならないようにとの思いだった。
こいう体になり、ハンデを抱えるようになって自分では随分と気をつけていると思っている。
視野は欠け、動きの早いものが追いづらく、運転に不向きなこの後遺症には、とても恨めしい思いだ。
それでも自分の出来ることを伸ばせるよう細心の注意をはらっているつもりだ。

来たる一人で行くMRI検査に備え、妻と脳神経外科内科の病院まで練習も兼ねて運転してみようとなった。
妻は助手席に座り、自分の運転を監視してくれる。
なるべく難しくないと思う道順を選び走らせる。
片道40分くらいの道のりだ。
走ってみれば無事辿り着くことは出来、特に問題無く、妻からは及第点といったところか。
が、不安は払拭されない。
自分は妻に今の自分の状況を知ってもらおうと見たまま、感じたままを伝えるようにしている。
それは、やはり妻には可能な限り自分の状態を理解して欲しいと考えているからだ。
この事が妻の不安が消えない原因の一つなのだろう。

ある日、自分のクルマの前にバイクが走っていた。
バイクといえば、原付二種以上なら車線の真ん中や少し左寄りに、原付50なら左端に寄って走っている事が多いが、バイクの前を走るクルマを見ると、左に寄っているバイクが視野欠損により消えてしまう。
自分の前にバイク、その前にクルマという状況は、普段よりもさらに強く視野欠損の影響を感じさせるのだ。
以前のハンデを追ってない時は前を走る車両は特に何も意識する事なく当然両方見え、動きを把握できていたが、今は違う。
視野全体の中心付近に、自分の場合は特に左下が欠けている事で、このような見え方になってしまう。
こんな事を妻に解説してしまうもんだから、一向に安心して送り出してもらえないでいる。
自分でも今の状態での運転は不安に感じている。
妻の思いは無理もないのだ。

必然的にスピードを出すことは出来ず、速度は控えめになっている。
法定速度のプラス10km/hを超えて走る事はほぼない。
結果、周りのクルマより少し遅いペースになるのだが、たまに自分の後ろを走るクルマがイラついている事が分かる。
後ろに接近され、右寄りに走りアピールしてくるのだが、自分にはこれ以上無理だ。
どうぞ先に行ってくださいと思うのだが、1車線ではほぼ追い越せない。
なので2車線の道路なら今は出来る限り左側を走るようにしている。
一般道は右車線が追い越し車線という訳ではないのに、左車線を走る事で圧を感じずに走れる事が多い。
左車線はとても平和にゆったりと走れるので、今は大好きになった。
こうしてクルマの運転は気持ちに余裕を持って走るように心がけると快適だ。

あといつになったらひとり運転の許可は下りるのかな。