仕入に係る消費税額の控除は、課税標準額に対する消費税額から、仕入に係る消費税額を控除して納付税額を算出す方法を採っている。この仕入に係る消費税額の控除は、実際の課税仕入れ等の金額を基に計算した課税仕入れ等の税額に特例・調整を行い算出する。
しかし、この実際の課税仕入れ等を基に控除税額を算出するには、その証拠書類が必要となり、帳簿及び請求書等を管理・保存する事務負担が発生する。そのため、基準期間における課税売上高が、5千万円以下の中小事業者については、課税標準額に対する消費税額から、売上に係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を差引き、その金額にみなし仕入れ率を乗ずることによって、課税仕入れ等の税額の合計額を計算することを認めている。
1.簡易課税制度の適用要件
①課税事業者(基準期間における課税売上高が1千万超5千万円以下)
②簡易課税制度選択届出書の提出
③②を納税地の所轄税務署長に提出
④基準期間における課税売上高が5千万円以下となる課税期間については、強制的に簡易課税が適用される。
2.簡易課税制度をやめたい場合
①簡易課税制度を選択している事業者
②簡易課税制度不適用届出書
③納税地の所轄税務署長に提出
④選択が適用されることとなった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後まで期間制限がある。
☆分割等に係る課税期間
簡易の適用を受けようとする課税期間が分割等に係る課税期間の場合には、適用されない。というか、分割等を考慮して、5千万円超となる課税期間を分割等に係る課税期間という。
3.売上に係る消費税額
その課税期間中に国内において行った1種から5種までの4%課税資産の譲渡等に係る消費税額の合計額から、その課税期間中に国内において行った1種から5種までの売り返に係る消費税額の合計額を控除した残額をいい、課税標準額に対する消費税額とは異なるので注意。
※課税標準額に対する消費税額-売り返+回収債権
4.事業区分の注意点
卸売業と小売業でつい最近まで勘違いしていたのが、事業者に商品等を販売した場合には、その事業者が自社で消費使用が、転売しようが関係ないこと。卸売業での「事業者に対して」とは、消費者としての事業者も含むということである。
5.一定の課税期間
相続があった場合に、被相続人が簡易課税制度を選択していた場合には、その被相続人の簡易課税制度の選択の効力を引き継ぐことは出来ないので、その事業を承継した課税期間より届出の効力を認めることにより、実質的に簡易課税制度の承継を認めている。
☆ただし、小規模事業者に係る納税義務の免除規定である基準期間の1千万円判定によりそもそも課税事業者となっている場合には、事前に簡易を選択できていたはずなので、除外している。
つまり、相続・吸収合併・吸収分割の特例により課税事業者となった場合のみこの規定が適用されるということである。