仕入に係る消費税額の控除は、課税標準額に対する消費税額から、仕入に係る消費税額を控除して納付税額を算出す方法を採っている。この仕入に係る消費税額の控除は、実際の課税仕入れ等の金額を基に計算した課税仕入れ等の税額に特例・調整を行い算出する。


しかし、この実際の課税仕入れ等を基に控除税額を算出するには、その証拠書類が必要となり、帳簿及び請求書等を管理・保存する事務負担が発生する。そのため、基準期間における課税売上高が、5千万円以下の中小事業者については、課税標準額に対する消費税額から、売上に係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を差引き、その金額にみなし仕入れ率を乗ずることによって、課税仕入れ等の税額の合計額を計算することを認めている。



1.簡易課税制度の適用要件



①課税事業者(基準期間における課税売上高が1千万超5千万円以下)


②簡易課税制度選択届出書の提出


③②を納税地の所轄税務署長に提出


④基準期間における課税売上高が5千万円以下となる課税期間については、強制的に簡易課税が適用される。



2.簡易課税制度をやめたい場合



①簡易課税制度を選択している事業者


②簡易課税制度不適用届出書


③納税地の所轄税務署長に提出


④選択が適用されることとなった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後まで期間制限がある。





☆分割等に係る課税期間


簡易の適用を受けようとする課税期間が分割等に係る課税期間の場合には、適用されない。というか、分割等を考慮して、5千万円超となる課税期間を分割等に係る課税期間という。




3.売上に係る消費税額


その課税期間中に国内において行った1種から5種までの4%課税資産の譲渡等に係る消費税額の合計額から、その課税期間中に国内において行った1種から5種までの売り返に係る消費税額の合計額を控除した残額をいい、課税標準額に対する消費税額とは異なるので注意。



※課税標準額に対する消費税額-売り返+回収債権



4.事業区分の注意点



卸売業と小売業でつい最近まで勘違いしていたのが、事業者に商品等を販売した場合には、その事業者が自社で消費使用が、転売しようが関係ないこと。卸売業での「事業者に対して」とは、消費者としての事業者も含むということである。



5.一定の課税期間


相続があった場合に、被相続人が簡易課税制度を選択していた場合には、その被相続人の簡易課税制度の選択の効力を引き継ぐことは出来ないので、その事業を承継した課税期間より届出の効力を認めることにより、実質的に簡易課税制度の承継を認めている。


☆ただし、小規模事業者に係る納税義務の免除規定である基準期間の1千万円判定によりそもそも課税事業者となっている場合には、事前に簡易を選択できていたはずなので、除外している。


つまり、相続・吸収合併・吸収分割の特例により課税事業者となった場合のみこの規定が適用されるということである。





課税仕入れ等の時期には、



①国内における課税仕入れ


②保税地域からの課税貨物の引取




があるが、②保税地域からの課税貨物の引取に関しては、さらに、一般申告と特例申告とがある。




1.国内において課税仕入れを行った場合の時期



①原則



課税仕入れに係る資産を譲り受け・借受け又は役務の提供を受けた日とされるが、原則的に売り手サイドの資産の上等等の時期により判断をすることとなる。


※資産の譲渡等の時期の特例があるが、課税仕入れの時期では全く関係ないため、無視。



②前払金、仮払金



商品等の引き渡しを受けていなければ、それは前払い金や仮払金であり、その時点では、仕入税額控除の対象とならない。




③割賦購入資産に係る仕入税額控除



割賦により購入した資産に係る支払対価の額は、その全額が、購入時に仕入税額控除の対象となる。

※長期割賦でろうがなんであろうが、購入時即時控除である。特例なんてあり得ない。




④減価償却資産に係る仕入税額控除



仕入税額控除のタイミングは、当該減価償却資産の購入時であり、その後の減価償却費は、全く関係ない。




⑤繰延資産



繰延資産で課税仕入れ等に係る支払対価の額は仕入税額控除の対象となるが、その償却費は関係なし。




⑥郵便切手類又は物品切手等の課税仕入れ等の時期




○郵便切手類


郵便切手類は、原則的には、購入時ではなく、使用時に課税されるものであることから、非課税とされるが、例外的に、購入時に仕入税額控除が認められる(継続適用が要件)。



○印紙


租税の前払的性格のため、課税対象外仕入



○証紙


行政手数料の前払的性格のため、非課税仕入れ



○物品切手等


贈答用に購入した物品切手等の購入は、課税対象外仕入。


業務用に購入した場合には、原則、使用時に仕入税額控除を行うが、例外的に、継続適用を要件とし、購入時に仕入税額控除が認められる。




☆注意事項



①切手


当期に切手を10,000円分購入し、期末に在庫3,000円を計上した場合


・原則

10,000円-3,000円=7,000円が控除可能


・例外

10,000円




2.一般申告



①通常の輸入



一般申告における通常の輸入では、申告及び納付のうち、申告については、輸入申告と納税申告を同時に行う、その後、税関長より輸入許可を受け、課税貨物を引き取ることとなる。いわゆる課税貨物の引取とは、実際に引き取った日ではなく、税関長からの輸入許可を受けた日となる。



②納期限の延長



納期限の延長を行った場合においても、輸入申告と納税申告はまず最初に行う。そして担保を税関長に提供することにより3ヶ月間、納期限の延長が認められる。従って、延長を受けることにより、申告・納付のうち、納付が遅れたとしても、輸入許可を受けることができ、納期限よりも先に引き取ることができる。



③許可前引取


許可前引取とは、輸入許可を受ける前に引き取ることができることである。一定の理由により、引き取りを急ぐ場合や、新規輸入品である等の理由により、輸入許可が出るのが遅れるような場合。



許可前引取には、原則と特例があるので注意。



A.原則


実際に課税貨物を引き取った日



B.特例


引取に係る消費税額を納付した日




3.特例申告



特例申告の場合の仕入税額控除のタイミングは、特例申告書を提出した日である。




一般申告では、輸入申告と納税申告を同時に行うが、特例申告は、輸入申告だけ先に済ませ、輸入許可を受け、引き取る。その後、納税申告(特例申告)を行い、その後納付する。


これは、仕入返還と同じような規定なのだが、これは、国内仕入返還のように、返品を受けたからといって調整をするような規定ではなく、輸入した商品につき、返品や廃棄などにより、申告・納付した消費税の還付を受ける場合があり、その還付があった場合には、それ以前に控除した引取に係る消費税分の調整を行うこととする規定である。



従って、海外の輸入先に対して、輸入商品を返品したという事実のみでは、引取還付には該当しないこととなるので注意。※還付を受けたかどうかだけを見ればよい。




あとは、仕入返還と同じような感じ。



概要:




仕入に係る返品・値引き・割戻しによる、その課税仕入れに係る支払対価の額の全部若しくは一部の返還又はその支払対価に係る買掛金その他の債務の額の全部もしくは一部の減額があった場合には、仕入に係る消費税額の調整を行うこととしている。







1.注意事項



①国内において課税仕入れを行った時と仕入返還を受けた時の両方が課税事業者。



②返品等は、金銭によるもの、又は、債務の減額によるものであること。



※現物で収受する場合には、×。






2.課税仕入れ等の税額の合計額の計算方法



①95%以上



課税仕入れ等の税額の合計額-仕入に係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額





②個別




A+B×課税売上割合等



A 課のみ課税仕入れ等税額合計額-課のみ仕入返還消費税額の合計額



B 共通課税仕入れ等税額合計額-共通仕入返還消費税額の合計額





③一括




(課税仕入れ等の税額の合計額-仕入返還消費税額の合計額)×課税売上割合







4.消費税額の加算





これは、上記のように一定の方法により計算した金額を課税仕入れ等の税額の合計額から控除して控除しきれない金額の取扱いの規定である。

課税仕入れ等の税額の合計額から控除し切れないんだから、課税標準額に対する消費税額に加算するしかないでしょってこと。






5.相続・合併・分割があった場合



相続による事業承継があり、亡くなった被相続人により行われた課税仕入れにつき、仕入に係る対価の返還等を受けた場合には、その相続人が行った課税仕入れにつき、仕入に係る対価の返還等を受けたものとみなして、控除の特例を適用するとさ。

合併・分割も同様。








6.計算パターンで理解




控除対象仕入税額


①国内        ←  課税仕入れ等の税額

②輸入        ←


③国内+輸入   ←  課税仕入れ等の税額の合計額




④仕入返還等に係る消費税額


⑤③-④= 課税仕入れ等の税額の合計額とみなす





つまり、本来、「課税仕入れ等の税額の合計額」は、課税仕入れに係る消費税額と課税貨物に係る消費税額の合計額ということになるが、




①仕入返還等の消費税額

②引取還付の消費税額





については、課税仕入れ等の税額の合計額に一定の調整を加えて、課税仕入れ等の税額の合計額とみなすこととしている。




※変動・調整に関しては、仕入に係る消費税額に加算又は控除するとあるため、課税売上割合の影響は受けない。まぁ、変動調整に関しては当然ちゃ当然だが。







7.仕入に係る対価の返還等の意義





仕入に係る対価の返還等とは、返品、値引き、割戻しによる、その課税仕入れに係る支払対価の額の全部もしくは一部の返還または買掛金その他の債務の額の全部もしくは一部の減額をいう。





8.具体的計算




①課税仕入れ等の税額の合計額-仕入に係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額

  (これを課税仕入れ等の税額の合計額とみなすとしている。)




②課税標準額に対する消費税額-①=差引税額

課税仕入れの定義では、事業者が事業としてその資産を譲り受け・仮受け・又は役務の提供を受けること(所得税法における給与等を対価とする役務の提供を除く)とされる。

ここで、課税仕入れに該当するかどうかの判定は、その課税仕入れの相手方が課税資産の譲渡等に該当する場合に限るとされ、しかも、輸出免税取引についてのぞくとあるため、4%に該当するものだけと言っている。



つまり、仕入の相手方が当社に課税資産の譲渡等を行ったとしても、それが、外国貨物の譲渡であれば、当社、相手方共に居住者同士であったとしても、相手方は輸出免税売上、当社は免税仕入れとなり、知れ税額控除は認められない。






1.個人事業者の家事費



①自家用車の購入

②生活用の食材

③ゴルフ場利用株式の購入‥


※区分されていない場合には、合理的に家事費のカットを行う。



2.所得税法に規定する給与等を対価とする役務の提供



①給与として取り扱われるもの


・住宅手当

・家族手当

・単身赴任手当


※単身赴任手当は、たとえ自宅から会社までの距離などで計算したものであっても、それは手当計算のための指標であり、中身は完全に給与と同じなので、無理。





②仕入税額控除の対象となるもの


・通勤手当(特急料金、グリーン車含む)

・現物支給の定期券の購入費用





☆賞金の取扱い


賞金については、催物等に参加し、その結果として賞金等の給付を受けるものであること



(ソース国税庁HP)

11-2-4 事業者が、業務上有益な発明、考案等をした自己の使用人等に支給する報償金、表彰金、賞金等の金銭のうち次に掲げる金銭については、課税仕入れに係る支払対価に該当する。



(1) 業務上有益な発明、考案又は創作をした使用人等から当該発明、考案又は創作に係る特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利若しくは意匠登録を受ける権利又は特許権、実用新案権若しくは意匠権を承継したことにより支給するもの



これは使用人が発明した特許権などの権利を当社が承継する場合に支払う対価であるため、特許権の購入に当たる。従って、課税仕入れになりますね。




(2) 特許権、実用新案権又は意匠権を取得した使用人等にこれらの権利に係る実施権の対価として支給するもの



特許権を取得した使用人ですから、その権利はその使用人にあり、当社は、その使用人から実施権を購入するわけですから、課税仕入れ。



(3) 事務若しくは作業の合理化、製品の品質改良又は経費の節約等に寄与する工夫、考案等(特許又は実用新案登録若しくは意匠登録を受けるに至らないものに限り、その工夫、考案等がその者の通常の職務の範囲内の行為である場合を除く。)をした使用人等に支給するもの



特許権等を考案した本人に支給するものであることって意味かな。




3.保険金等を源泉とした資産の取得等

課税仕入れの範囲を判定するにあたり、その資金の源泉は関係ない。

4.滅失等した資産に係る仕入税額控除

当初、販売する目的で購入した課税商品が盗難により、滅失した場合等であったとしても、購入時に仕入税額控除を行うので、課税仕入れとなる。

5.国外で行う資産の譲渡等のために行う国内における課税仕入れ等

~のためにというのは、課税仕入れに該当するかどうかには全く関係ないので、課税仕入れになる。このさい、国外取引のための国内課税仕入れは、土地の売却であろうが、課のみ仕入となる。

ここでいう、控除対象仕入税額とは、国内取引、輸入取引、仕入返還、引取還付、棚調を±して計算した仕入に係る消費税額に、変動、転用調整分を加減算した金額となる。



1.95%未満かどうかの判定


課税売上割合≧95%の場合には、全額控除




2.95%未満の場合の計算方法の有利選択



個別か一括かは有利な方を事業者が選択すればよいのだが、まず、個別対応方式を採用するには、課税仕入れ等の分類を行っていないといけません。また、一括比例配分方式を採用する場合には、2年の期間制限がある。





また、中小事業者の特例として簡易課税制度があるが、これはまた次回学習予定。



3.課税仕入れ等の税額



①国内における課税仕入れ


②保税地期からの課税貨物の引取


※国内における課税仕入れは、課税仕入れの相手方に支払った時点では、消費税相当額をその相手方に支払っているが、納税を行うのは、その相手方である。

 これに対し、保税地域からの課税貨物の引取は、基本的には、引取の時点で税関長に引取に係る消費税額を納付するため、この時点ですでに申告・納付が完了している。


つまり、国内における課税仕入れはその時点では、申告・納付ともに行っていなく、保税地域からの課税貨物の引取に関しては、その時点で既に申告・納付が終わっているのである。


消費税の申告書では、既に輸入取引については消費税を納めているので、その分を課税標準額に対する消費税額から控除しましょうねってこと。




4.個別対応方式の適用要件



課税仕入れ等の分類を行っていない場合には、一括のみしか採用できない。



5.総合問題における指示



問題分に、95%未満の場合には、当期も個別を採用している。と指示がある場合には、個別のみでOK。というか、結構一括まで計算してしまうことが多いので注意。



6.一括比例配分方式の期間制限


一括比例配分方式により計算した課税期間の初日から2年を経過する日までの間に開始する各課税期間においてその方法を継続適用した後の課税期間でなければ個別対応方式により計算することは出来ないとあるが、95%以上であることによる全額控除で計算した課税期間についても一括を継続適用したものとしてOK。







概要:


仕入税額控除の方法は、仕入時に消費税を支払っているため、その支払った消費税分を売上に係る消費税額から控除する方法を採っている。従って、その仕入税額控除を認めるための要件として実体要件としての課税仕入れ等を行っているかどうか、形式要件としての書類の保存要件が課されている。




1.仕入に係る消費税額の控除の内容



注意事項:


①課税事業者が対象


②国内において課税仕入れ又は保税地期から課税貨物を引き取ること


③帳簿及び請求書等の保存要件


④課税標準に対する消費税額から課税仕入れ等の税額の合計額を控除する。





※課されるべきは、許可前引取のことである。



2.課税売上割合95%未満


課税売上割合が95%以上の場合には、全額控除できるが、95%未満の場合には、非課税売上に対応する課税仕入れ等の税額については仕入税額控除を認めることは出来ないため、その分だけカットする必要がある。その計算方法としては、個別と一括の有利選択が認められている。個別に関しては、あらかじめ課税仕入れ等の分類を行う必要がある(課のみ、非のみ、共通)。また、分類しいたとしても、一括を採用することも認められる。ただ、一括を採用した場合には、2年の期間制限があるため注意が必要である。




①個別を採用時の準ずる割合の適用


共通対応の課税仕入れ等の税額につき、課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書を提出し、税務署長の承認を受けていれば、課税売上割合に代え、準ずる割合を使用することができる。



②不適用の場合には、届出書


・課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書


・課税売上割合に準ずる割合の不適用届出書



いずれにしても適用又は不適用したい課税期間中に提出すればOK。




3.書類の保存


①仕入れに係る消費税額の控除は、帳簿及び請求書等の保存が要件であるが、3万円未満か、3万円以上だったとしても、請求書等の交付を受けない場合などのようにやむを得ない理由があれば、帳簿のみの保存でOK。ただし、その理由により保存できない部分のみである。



②保存要件は帳簿及び請求書は5年、6年目と7年目はいずれかでOK。



4.付帯税


過少申告加算税が納付後に課された場合など、仕入税額控除出来るわけない。



5.準ずる割合の適用開始のポイント


提出課税期間より適用開始はこれのみ



6.3万円未満かどうかの判定は、1取引の合計額で判定





7.保存要件のポイント



帳簿及び請求書等の7年保存義務。しかし、6.7年目は、どちらかでもよいとされる。しかし、規定では帳簿と請求書等の両方を7年と言っているので、決して5年でよいと言っているわけではないみたい。



8.課税仕入れに係る支払対価の額



課税標準は、税抜だが、課税仕入れに係る支払対価の額は、税込である点に注意。



9.課税仕入の定義



輸出免税を除く、4%課税取引に該当するものしか、課税仕入れとしない点に注意。







理論問題:



1.帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められる場合の注意点



通常、仕入税額控除は、帳簿及び請求書等の両方の保存が要件となっている。しかし、書類の保存規定には、①帳簿のみの保存でよい場合、②帳簿又は請求書のいずれかの保存をすればよい場合の2つが規定されている。ただ、②の帳簿又は請求書等のいずれかというのは、6年目及び7年目についてであるため、仕入税額控除を行う際の要件ではない点に注意。従って、帳簿のみで仕入税額控除を行うことを例外的に認めている①の、3万円未満~が解答となる。



2.定義



課税仕入れに係る支払対価の額の定義は、課税仕入れの対価の額。


昨日、いよいよ第一回実判を受講してきた。



今年は、総合問題をただ解き倒すだけではなく、テキスト中心の内容理解に重心を置いて学習してきているため、そのことが裏目に出たのが昨日である。しかし、この実験により、確実に理解が深まっているのは実感があるため、この学習方法を継続適用??wwし、かつ、総合問題対策も確実に押さえていこうと思った1日でした。



まず、



第一問 理論


問1


吾輩が苦手としている納税地の問題であった。


注意事項:



①資産の譲渡等に係る消費税の納税地

②各設問に関連する消費税法上の規定を述べよ

③輸出物品販売場において~を除く



まず、前提文は上記である。



ここで思い込みで失敗しそうだったのが、「(1)~(4)を除く納税地について述べよ」と勘違いしそうだったことである。


で、タイトルあげの中途で、「国内取引の納税地のうち、(1)~(4)までについて述べよ」と、全く逆の指示であることに気づく。スタートからこの時点までのタイムロスは約1分。。時間的にはまぁそんなものかとも思うが、時間に焦ってこのまま突っ走っていたらおしまいでした。



そして各設問に入る前に上がったタイトルは、



17納税地のうち、



個人事業者の納税地

法人の納税地

納税地の指定

納税地の指定処分のあった場合

納税地の異動の届出

一定の場所



上記のとおりである。


そんでから、各設問に入る。



(1)について


注意事項:


国内に住所のほか居所を有する個人とあるため、


①原則の「国内に住所を有する場合」が該当する。

②原則の「国内に住所を有せず、居所を有する場合」は居所がないため該当しない。

③原則の「国内に住所及び事務所等を有せず、事務所等を有する場合」に関しても住所も居所もないため、該当しない。

④原則一定の場所は住所も居所も有していないため、該当しない。

⑤特例の「住所のほか居所を有する個人事業者が納税地の特例の適用を受ける場合」は、該当する。

⑥特例の「住所又は居所を有する個人事業者は~」は住所と居所のどちらかしか有していないため、該当しない。



従って、解答は、


①原則 (イ)

②特例 (イ)(ハ)(二)(ホ)


となる。ここで、納税地の特例の不適用はもちろん、個人事業者が死亡した場合の納税地に関しても、消去法により消えないため、解答する必要がある。



んで、



(2)について



国内に本店のほか事務所等を有する法人とあるため、本店+事務所等の2つ有している法人である。



①内国法人は国内に本店もあり、かつ、事務所等もあるため該当する。

②外国法人は国内に本店はあり得ない。事務所等はあったとしても、要件満たさない。

③一定の場所は、おそらく、外国法人が日本に事務所等は有していないが、不動産等の貸付け対価を受ける場合などであるから、どちらにしても国内に本店はあり得ないので該当なし。



(3)について


これはかんがえるまでもなく、納税地の指定と指定処分の取り消しをべた書き。100%の解答が必要。




(4)について


納税地の異動についてもべた書き100%必須。




問2



資産の譲渡等の時期に関しての問題である。



注意事項:


①法人に限定

②時期の特例に限定

③事業承継がらみは除外



とあるため、


(1)については、


①により、長期割賦販売等を行った課税期間、翌課税期間についても、個人事業者の所得税云々はカットして解答する。また、[8]個人事業者の延払条件付譲渡を除く。


②により、当問題では、時期の特例のみに限定しており、資産の譲渡等の時期の原則は除外する必要あり。


③により、[6]相続・合併・分割を除く。




(2)について



上記に準じて解答し、完璧な解答ができた。




第二問 計算




1.合併中間



最近、合併中間の問題を解答していなく、なんとなくで挑んでしまったのが大きなミス。その課税期間の直前の課税期間で、被合併法人特定課税期間とその直前の課税期間の確定消費税額両方を使用する場合でした。かなりオーソドックスな問題にもかかわらず、計算パターンを完全に間違った。。。やはり定期的に計算問題集で解答する必要がある。これでは、点数はどうあれ、完全に不合格のパターンである。



2.製品Yに対応する課税仕入れの分類のミス



製品Yは、非課税製品であることから、国内販売は非課税売上、海外輸出はみなし輸出となるので、製品Yの製造に係る部分品の課税仕入れ等の分類は、共通になるはずである。しかし、日のみ対応にしてしまう。。



3.特許権に係る損害賠償金収入



科目が雑収入で、製品Yとあったので、そのまま突っ走って、「及び」以降も非課税売上にしてしまう。。最悪です。そもそも特許権の貸付けで非課税なんてあるのかどうか。。



今回の大失点は、課税仕入れ等の分類のミス。このミスのおかげで、かなりの減点です。今回は初めての試験会場だったので、やむを得ないとしても、次回からはミスを一つでも減らすよう心掛ける。



工事の請負は、原則では、工事完成基準とされる。



しかし、この方法では、工事請負期間が長期にわたる場合に、工事に係る課税仕入れ部分に関しては、購入時即時控除であるため、その都度、仕入税額控除を行うが、それに対応する売上に係る消費税については、工事完成時に一気に計上されるため、期間平準化の観点から不適当である。



というか、消費税法においては別に期間損益なんて概念がないでしょうから、そんなに気にする必要ないのだが、どちらかというと、工事完成時にまとめて課税売上が計上されるため、資金繰りの観点からといった方がよいのかもしれません。




ということで、所得又は法人で工事進行基準により経理していれば、消費税法においても工事進行基準を採用できますよってこと。

(そもそも実務上、工事進行基準により会計処理を行っていて、消費税申告処理と連動していれば勝手に工事進行基準になってますけど。)





1.適用要件



①長期大規模工事


要件なし(所得又は法人では、長期大規模工事は工事進行基準が強制適用とされる。)



②その他の工事


所得又は法人で工事進行基準により経理




2.工事の意義



①長期大規模工事


着手から引き渡しまでが1年以上で、かつ、一定の大規模な工事であること



②工事


着手した年又は事業年度中に引渡が行われない工事で、長期大規模工事を除く





3.計算パターン


①引渡課税期間前


請負金額×当期末までに支出した原価/見積総原価-前期までに計上した金額



②引渡課税期間


請負金額-引渡課税期間までに計上した売上の合計額




4.仕入税額控除との関係(受注者サイド)



工事の請負を、工事完成基準又は工事進行基準により売上計上している場合で、それに係る原材料費等の処理で、未成工事支出金として処理している場合


①原則


その課税仕入れ等を行った日において仕入税額控除



②例外


継続適用を要件として、目的物の完成引渡の時点にまとめて仕入税額控除を行うことができる。



※仕分


未成工事支出金/現金 10,500円


未成工事支出金/現金 31,500円


原材料/未成工事支出金 42,000円(完成引渡時)


↑ここでまとめて仕入税額控除することができる。




5.仕入税額控除との関係(購入者サイド)






つづきは、次回。


資産の譲渡等の時期の原則は、引渡基準である。


しかし、長期割賦販売等に関しては、商品の引き渡し後、長期にわたって債権の回収を行うため、通常の販売と比べ、貸倒リスクが高い。そこで所得税法又は法人税法では、納税資金の面を考慮して延払基準を認めている。


そこで、消費税法においても、所得税法又は法人税法において延払基準により経理している場合に限り、延払基準を適用することができる。




1.適用要件


①所得又は法人で延払基準により経理していること


②長期割賦販売等であること





☆選択適用


①と②の要件を満たしていれば、消費税法においても延払基準を採用することができる。逆に言うと所得又は法

人において延払基準により経理してなければ消費税法で選択適用することは出来ない。



☆有利選択


長期割賦販売等があった場合の特例は、指示があったときのみでよい。





2.長期割賦販売等の意義


①3回以上に分割して支払を受けること


②引渡しから最後の支払期日までの期間が2年以上であること


③目的物の引渡しの期日までに支払期日が到来する賦払金の額の合計額がその対価の額の2/3以下であること


※これは、目的物の引渡の期日までに大半の支払いが完了しているものについては長期割賦販売等に該当しないことを意味する。




3.計算パターン



①長期割賦販売等を行った課税期間


長期割賦販売等に係る対価の額-その支払期日の到来しない賦払金の額




②翌課税期間以後


支払期日の到来する賦払金に係る対価の額-前期に既に支払いを受けた分+翌期分を当期に回収した分※


※翌課税期間に支払期日が到来する賦払金を受取手形によって回収した場合には、回収したことにならない。あくまで現金回収である。売掛金から受取手形へと債権の形態が変わっただけである。




4.長期割賦販売等に係る手数料



長期にわたり債権の回収を行うため、長期割賦販売手数料を収受することがあるが、これは、利息であるため非課税売上となる。




5.非課税資産の長期割賦販売等



課税資産の長期割賦販売等と同様に、課税売上割合の計算上、考慮する。