Now on streaming!!"PATACARA" | メメントCの世界

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演劇ユニット「メメントC」の活動・公演情報をお知らせしています。

Now on streaming!!  "PATACARA"

 

昨日より、「女人往生環プロジェクト」ストリーミング始まってます!

大好評、生よりよく鑑賞できるという声が多数です。

何故でしょうね??邦楽や地謡がよく聞こえるというか、聞きやすいと皆さんから言っていただいてます。

最近、FBに書きすぎるので、こちらに転載致します。

 

女人往生環の邦楽

 

今回配信の「パターチャーラー」の邦楽は、2017年の初演から更に練り上げていったものです。能楽の柴田稔先生、囃子方の堅田喜三代さんらが、水天宮ピットや笹塚の稽古場で、あーでもないこーでもない、と合わせながら作調していきました。ダンスシーンの望月太左衛さんの圧巻の太鼓は、ダンスにあわせてのジャズのセッションのようでした。

 通常の能楽は、太鼓、大鼓、小鼓、能管の四拍子(しびょうし)と言われるセットなんですが、インドのお話であり、物語をよりダイナミックに進めるために、義太夫三味線の鶴澤津賀寿さんにもご参加頂きました。途中の Muddy river の後から登場する義太夫三味線の音、インドの暗い森、河の濁流、インド音階も交えた演奏で表現されています。墓場のダンスは、えみさんの動きとも相まって、輪廻の渦が立ち上がってます。飲み込まれそう。

 配信を観ていて、囃子方の掛け声、拍子や、合いの手や、その他さまざまなライブの時に取り交わされた、目線でのコミュニケーションや、丁々発止を改めて堪能いたしました。

 

 このような無理無理をやってくださった先生方に感謝するばかりです。そして、独特のこの「間」の音楽に深い感動と、喜びが湧きだしました。太鼓と鼓のかけひき、それで、掛け声が入って決まる新たなテンポ、さーっと引かれる手、そういうものすごいインタラクティブなそこで生まれてる「拍」による音楽は鳥肌ものです。

 

皮ものを叩いている三人と、笛のタイムライン、地謡のタイムラインはどうやら違うんですね。でも、関係性は保ってお互いの興奮を追い立て、最高潮にし、やがて緩めていくコミュニケーションが凄い。縦線がいっぱいある音楽って?それぞれに拍頭があるけど、タイムラインが積み重なるようにして、音楽をビルディングしていく。ポリリズムじゃないし……

 こういうことを12世紀には今と同じようにやっていたわけで、そういうプロトコルを発明した観阿弥、世阿弥父子ってすごい!

 また、途中、能楽の先生方が三帰衣文を朗誦しています。これもお経とはまた違う響きが魅力的です。すごい声。

 

 私は大学時代にクラシックをやっていました。それで縦線とか音程とか、ぴしっと割り切れるものに命をかけていました。その後も、レコーディングの仕事やミュージカルの仕事の中で、兎に角、かなりに割り切れて音程が正しくないと嫌だったんです。それがライオンキングの時から変わりました。あのコーラスのチャントっていうのが、伸び縮みしながらお互いが関係性を保ったまま進む音楽がとても好きになりました。ハーモニーも音程も完全五度とか四度とかが多いのですがそこに、にじみがある。作曲のレボ氏が歌うと、その絶妙な滲みがものすごい陰影を産んでアフリカの大地の照り付ける太陽と、その下の死体、みたいなコントラストが音によって見えてきたのには仰天しました。

 それでもってリズムが割り切れない。ミュージカルは、クリックを聞いて録音パートと生パートが融合するんで、割り切れてるかというとそうでもないんです。

 

 大阪のパーカッショニスト、山村誠一さんのコンガは凄かった。スーパーオンタイムな拍、極限まで深いけど、遅れてるわけじゃない拍、そういうのを録音パートとの並走でも使い分けてきて、すごい!っと思いました。拍って、ほんとに奥が深い。

 

 

 パターチャーラーは、表に出てやってる囃子の他に、オフステージでのアンサンブルも凄いです。下座音楽を駆使して、情景描写をする堅田喜三代さんの音の効果、「附け」の魅力もご堪能くださいませ。

 

 女人往生環は、邦楽のワンダーランドでもあります!配信は昨日からはじまる、20日の23時まで観られます。

チケット発売中:配信期間 4月15日14時~20日13時59分

https://memento.zaiko.io/_item/338617