「かくも碧き海、風のように」あれやこれや② | メメントCの世界

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あれやこれや②

 

浅草花月劇場に1936年、「あきれたぼういず」 という音楽漫談グループがおりました。

様々な洋楽、オペラやジャズ、ブルースなどを自家薬籠中のものとし、アレンジし笑いと一緒に

シニカルなひねりも加えた味付けで、人気を博しました。

そのころ、浅草は芸能のメッカ、聖地、でありまして燦然と輝いておりました。

オペラ館ではオペラ、寸劇、コント、などを組み合わせたレビューが行われ、周辺の興行も幅広い芸能の興行を

行っていたのです。今より娯楽が少ない時代、人々は地下鉄にのって浅草へ、浅草へとつめかけました。

その様子は永井荷風の日記とか、高見順の小説などでしることができます。

綺麗なだけじゃない、欲望渦まき、上から下までのありとあらゆるはけ口でいっぱいの場所だったようです。

あきれたぼういず、は後にたくさんの亜流のグループを産んだ音楽漫談の祖??のグループです。

音楽自体は有名な他の人の曲ですが、蝶々夫人の「ある晴れた日に」の音楽に、佐渡情話の歌詞を載せたり、

ビゼーのカルメンで浪花節をしたり、もう縦横無尽。捧腹絶倒ですね。

セントルイスブルースに乗せて、石川啄木の短歌を謡うなど絶妙のセンス、昔の観客ってよく音楽を聴いてたんですね。

ある意味、高尚だったように思います。ディズニーのアニメ・ポパイの声帯模写とか、ヨーデル芸とかありとあらゆる

コピー芸を駆使し、ありえないアレンジで人気をはくしました。そこに堀田善衛がからんでいたなんて・・・・・・

真実は小説よりも奇でした。