出演者紹介その6 清水ひろみさんの巻
清水さんは、元青年劇場の女優さんですが、彼女は全く別のルートで私と出会いました。私はおととしから、都内の小中学校などで表現教育の講師などに行っているのですが、そこで一緒に活動しているASIBINAの翼さんと女優さんから紹介されました。
私「翼さん、本番で駄目なら、翼さんみたいなかたはいませんか?女中さんと被差別部落の老女とかいろいろやってもらうんですけど・・・・」
翼「いるいるいる!清水さん」
というわけで、紹介された清水さんは、ぴったりの方でした。渋い声と、身軽な動作でどんどん、食堂をさばいていきます。
女中のサワはモデルがない人物で、大星ドクトルの家で長く女中をしています。新宮よりちょっと北の山奥からやってきました。ひょうひょうと、我が道をゆく女中さんなのですが、変わり者のドクトルを好いていながらも、あんな危ないことせんでもええのに、と毎日舌打ちしているわけです。彼女にとっては家内安全が最優先事項で、奥様とぼっちゃん、嬢ちゃんの幸せをいつでも願っています。姑のいない大星の家にとっては、よい水先案内人なのです。
現実の清水さんもきっと、毎日、ひょうひょうとあらゆる家事やら仕事やらをかいくぐっているのではないかな、と思いながら彼女の動作、ひとつひとつが日常の確かな営みと温かさを添えて下さいます。