いよいよ初日まで10日をきります!
今日から「第6病棟・アンドレイの幽鬱」に客演していただく出演者のみなさまの紹介をしていきたいと思います。
第一回目は中川為久朗(なかがわいくろう)さん(写真左)
今回初参加の中川為久朗さん、青年劇場所属の俳優さんです。失礼ながら、初めてお会いした時は20代かもしれないと思いました。しかし私の眼は節穴で、実は在団二十年のキャリアを持つベテランです。宣伝写真を撮ったら不思議と尾崎豊に似ていました・・・・・・こんな事をしゃべっていいのかどうかわかりませんが、劇団の方の内緒話だと、今を去ること○○年前、地方の高校へ演劇鑑賞会の公演に行った際、終演後のバラシをする彼の後を女子高生がうじゃうじゃついて回ったそうです。その数、百人近く・・・・・ハラショー!
さて、出会いのきっかけですが、今年の節分の日に、私の苦節四年の「太平洋食堂」を青年劇場でリーディングしていただいた際、中川さんは若いアナキストの役をアグレッシブに演じてくれました。そのほとばしる生命力と苦悩がイワン・ドミートリチにぴったりだと思いました。そこで、あつかましくも、押しかけてお願いをした次第です。快くお引き受け頂き、感激しました。そして今、稽古場でも稽古のたびにいろいろなイワンを演じてくれています。イワンという役は単に気が狂っているのではなく、あまりにも物事を真剣に考えて過ぎ、世の中に適応できなくなってしまっただけの青年です。そして考え深く、正義感が非常に強いので神経衰弱になってしまったのです。百年前のロシアにはそういう人がたくさんいました。今もいるんでしょうね。私のイメージでは、文学上のロシアの二枚目の男は、白痴か結核か気が狂うかの三択というイメージが強いです。きっと、几帳面すぎて世の中の摩擦に擦り切れてしまうのでしょうね。チェーホフが言うところの、怠けものが多いという百年前のロシアではさぞや、辛かったでしょうな。・・・イワンの名言「僕は全身全霊で、人生を愛しているんです!!」