私のページにお越し下さり、ありがとうございます。これは、私が実際に経験した実話です。事実だけを綴っています。


はじめましての方はこちらから見ていただけると嬉しいです☆登場人物紹介を追記してます 





前回↓の続きです☆

太田先生は


「中絶費用を要求するんですか?


 だいたい、
 それは本当のことなんですか。


 領収書を見せてください。」




と言いました。





母と私は驚きのあまり
顔を見合わせました。





先生は、
急に電話をかけてきた母が
中絶費用を請求してきたと勘違いし、
さらに妊娠していた事自体を疑うかのように
領収書を見せろと言ってきたのでした。





"領収書"という言葉が
何とも事務的で冷徹で、
私の心に悲しく響きました。






その言葉に凍りつきながら、
私は考えました。






先生は、私が妊娠を装って
結婚を要求しようとしていたと
考えているのだろか。




それとも、
私が先生からお金を取るために
芝居をしたと思っているのだろうか。




今までの付き合いのなかで、
先生に一度も
お金を要求したことも、
お金を貰ったことも
ないのに…




そんなことのために
私が疎遠だった母を巻き込んで
芝居をしたと思ったのだろうか…





ただ、
しばらく考えれば先生の考えは分かりました。


先生はおそらく、
私が中絶をしたとしても
中絶費用を請求するはずがないと
過去の私の行動パターンから推測できたので、
第三者が勝手に請求していると
判断したのだと思います。

だから、私しか持っていないはずの
領収書を見せろと言ったのだと思いました。




けれども、もう私は、
先生の様々な誤解を解こうなどとは思えず、
お金の話ばかりをして暴走し
話が全く通じない先生に、
唖然としているだけでした。





一方、母は冷静に話を続け、





「わかりました。
 とにかく明日、
 そちらにうかがいます。

 泉尾工業高校で間違いありませんね。」




と確認しています。





太田先生はなぜか
その言葉に態度を急変させ、
学校にだけは来ないでくれ、
学校にだけは言わないでくれ、
と今度は電話越しに
母に泣きついてきました。




そして、
母が何も言っていないのに
一人芝居をしているかのように、



「今はお金がないんです。
 用意でき次第払うから
 お金は待ってください!」



と凄まじい剣幕でまくし立ててきました。



母はそんな先生を遮って、



「あなたはさっきから、
 お金のことばかり話そうと
 していらっしゃいますけど、
 そもそも何の為に
 私が電話をかけてきたのか
 分かっているのですか?


 娘がどれほど傷ついているか
 分かっているのですか?」



と問いかけました。




私はそれを聞いて
首を横に振って母を制止し、
もう電話を切るよう促しました。





【次へ続きます】