私のページにお越し下さり、ありがとうございます。これは、私が実際に経験した実話です。事実だけを綴っています。


はじめましての方はこちらから見ていただけると嬉しいです☆登場人物紹介を追記してます 



前回はこちらです☆ 





あの日から1週間2週間と

時間だけが過ぎてゆきました。

私は一人、

灯りも付けず部屋に籠もって

床に座りこみ

何かをすることもなく、



ただ

喪失感と罪悪感と

赤ちゃんがお腹にいた時の思い出の中に

身を置いていました。





そんな頃でした。





私はまだ10代のだったため

今回の一連の件でかねてから

書類上母に協力を求めていたことにより、

事情を知っていた母が

心配して私の部屋を訪ねてきました。





荒れ果てた私の姿を見て、

暫し言葉さえ失っていた母は

やがて目の前でおもむろに

電話をかけ始めました。





その電話の相手が太田先生であることに

私は気付いていなくて、

母の電話の第一声で

初めてそれを知りました。





「あなたが太田さんですか。


 私はナオコの母です。」





母は、そこからは、

声を詰まらせながら続けました。





「娘のお腹の子供はもう……



 いなくなりました。」





すると先生は





「手術費用を要求するんですか?




 だいたい、

 それは本当のことなんですか。

 


 

 領収書を見せてください。」





と言い放ったのでした。






【次へ続きます】