ブートレッグって今まで手を出した事がなかったんですが、最近人生何度目かのマイ・マイルスブームが訪れていたのが災い(?)したのか、遂に手を出してしまいました。

店員の手書きで「1973年でも最高評価のステージ」って付箋が貼り付けてあります。

73年で最高のライヴ?..たしかに聴きたい..
ジャケットもカッコいいし。


中古屋の店員曰く「モノラルだけど音、悪くないっスよ。むしろ良いっスよ、かなり」

モ..モノラルなの?

「最近ステレオ録音のが出たんで安くしてるけどコレで十分っスよ」

そ..そのステレオはないの?

「取り寄せ出来るかもしれないけど、値段、倍になっちゃいますよ、聞いてみます?」

は?
コレでさえ2500円だよ。1枚モノだし。

「ブートですからね」

....

ブートの相場が全く判らない私は騙されてる気もしたけど、5000円なら絶対に手は出さなかったであろうその"1973年最高評価のステージ"を買っちゃいました。


今日帰ったら聴いてみます。
74年『ダークメイガス』や75年『アガパン』と聴き比べして感想書きます。

大失敗だったら書きません(笑)
ところで、こうして並べて聴かされると、このCDの前半部分のニューポートと後半部分ワイト島では、1年の間に音楽の持つ雰囲気が全く異質な物に変化している事に改めて驚かされます。


ロストクインテットを絶賛する人と、理解しずらい..とする人に分かれる要因は、このグループの持つ(リズムとチックのエレピに象徴されるように)明らかに新しい音楽にチャレンジしているのだけれど同時に未だ(ショーター路線の)ジャズの不気味で不穏な雰囲気が漂っているという不思議なバランスを、好めるか否かという点に拠るのではないでしょうか。
このロスト"カルテット"でもショーター不在ながら当然その雰囲気は漂います。(それでもショーターのソロがない分幾らか健全か)

それが1年後のワイトでは、チックとキースのダブルキーボードの過激さはあっても、ベースがエレキになった事、デジョネットが叩き出すリズムは複雑ながら相当整理されて聴こえる事などから、ずいぶんスッキリとシンプルになった印象。

御大も、ボクシングのトレーニングの賜ものか音を叩きつける様なプレイを多用しているせいか元気度が更にアップしてるように感じます。

ロック云々も言われますが、確かにこの頃のマイルスの音楽はこういった健全な雰囲気も含めジャズという音楽から一番離れた所にあったとは思います。


このあと、コカインのやりすぎで再び身体がボロボロになっていき、バンドに怪獣みたいなゴロツキを加入させたりした結果(?)、マイルスの音楽は再び不気味で不穏な雰囲気を漂わせるようになり、死臭さえも漂うアガパンに..
ってのは、また別の機会に。

なんか最初に書こうと思っていたのとは別の変テコな文章になってしまいました。
すみません。
最初に、私はマイルス好きではありますが、ブートレッグについての情報を全く持っていない事(中山さんの本も未読)、オフィシャル音源・映像の重要な物であっても未聴、未視聴がたくさんある事..を予めお断りさせて頂きます。

..と逃げを打っておいたところで早速。



買っちゃいました。
『ビッチズ・ブリュー・ライヴ』

'bout soul-グラフィック0320.jpg

ジャケこんな感じ(まぁギリギリ許せる範囲か)


前半が69年ニューポートでのロスト"カルテット"での、後半がワイト島のいわゆる「コール・イット・エニシング」と呼ばれている、時も場所も全く異なる2つのライヴの抱き合わせです。

ワイト島もタングルウッドも聴いた事のなかった私にとって、本作後半部分にあたるワイト島のライヴはかなりの衝撃でした。(しかも音質最高!ホランドのベースがクリアで聴きやすく、ぼーっとしてても曲を見失わなくて済む点も(笑)良い)


まずは何と言ってもマイルス!
私は、トランペッターマイルス・デイヴィスが最高にカッコいいのが70年の諸作においてであると疑いません。
ここでも期待を裏切らず、切れ味と纏まり具合のバランスがフィルモア以上。
マイルスがソロを取っている時のチック、キース、マイルスの3人がフィルモアよりも有機的に絡み合っている事で、御大のプレイがより立体的に感じられます。
これは相当カッコいいです。


→つづく(長文申し訳ない)