熱海のおじさん | 万土花草紙 ~話したいこと、たくさん~

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オノまどかの日々の気付きやお知らせを綴っています。
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熱海に夫方の叔父が住んでいます。

 

数年前、叔母に先立たれ、一人暮らしの95才。

子どもはいません。

 

今年に入ってから、ちょっと具合が悪くなると

何度も義両親が叔父の元に呼ばれました。

 

夏に大事をとって叔父が入院した際に

これからも自宅で一人暮らしをするならヘルパーさんに

来てもらうことで話がつきました。

 

義両親も年で、しょっちゅう千葉⇔熱海を往復するのは

きつかったので

近場のヘルパーさんに叔父の面倒を見てもらえることになって

ホッとしたようです。

 

叔父が夫に会いたがっているとの話を聞いたので

皆で熱海の叔父に会いに行ってきました。

 

95才の叔父が何と! 新しくできたお店のランチを

予約しておいてくれました!

 

行ってみたかったようです。

 

「この時間しか予約が取れなかったんだよ」と言いながら

「おいしい」「おいしい」とお酒やお膳を食べていました。

 

ランチは叔父のおごりで、さりげなく店員さんにもチップを

渡していました。

チップに気付いたのは家族で私だけだったようです。

 

叔父は耳が遠くて話が通じにくいと聞いていましたが

実際には、大きな声でゆっくり話せば会話に困りませんでした。

 

何しろ95才なので、帰宅してからは「疲れた……」と

ひっくり返っていましたが

聞けば、自宅のソファーのカバーや鏡台のカバーは

叔父が自分で作ったとのこと。

 

もともとキレイ好きではあったようですが

ヘルパーさんが入って下さっているおかげで

家も片付いていました。

 

ランチを食べに行った時に着ていたコートや帽子は粋で

おいしいお店も何軒か知っているようです。

 

だけど、友人知人がみんな他界してしまい

一人でそういうお店に行ってもつまらないと言っていました。

 

実はこの叔父に会ったのは

夫と結婚した時に開いた食事会以来です。

 

その食事会で叔父とうちの父が意気投合して

その後、義両親と姑の姉夫婦と

なぜか血縁でも何でもないうちの両親が一緒に熱海に行って

この叔父と遊んでいました。

 

ちょっとキザで、着るものにうるさくて、おいしいものが好きで

熱海の叔父とうちの父は似たもの同士のような気がします。

 

具合の悪い時に駆け付けるのも大事だけれど

叔父はたまにはオシャレしておいしいお店に行きたかったのかも

しれません。

 

また会いに行こうと思います。

熱海の叔父に。

 

 

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