翌日、
いよいよ白砂峠を超えて
大江湿原へ

弥四郎小屋のお兄さんに
白砂峠のコース詳細を教えていただく

弥四郎小屋のお兄さんは
山ど素人のわたしにいつも親切で
なんだかすごく、
安心する

この日は雨、ときどき晴れ、
ときどきまた雨

山らしいよね
気まぐれなあたり

朝靄の見晴らしを、白砂峠へ向けて
旅立つ


朝霧に濡れた
ツリガネツツジ
袋状の花びらを持つ花は
ほんとに愛らしいと思う

その袋の中に
なにを隠してるの?
て、覗き込みたくなるでしょ?

こういうのを
合弁花冠、て、いうらしい



白砂峠への道は、
きのう来た道とはまったく違う
いわゆる、山道ってやつ

雨が降って
小さな沢みたいになった道を
岩やら樹の根を跨いで
登ってゆく

朝早いからか
だれもいない

道間違えた?

クマさんがいたらどうしよう?

先の見えない林の道は
不安になる
泣きそうになっていると
後ろから尾瀬沼ビジターセンターの
おじさまが!

この道で大丈夫ですよ、
そんなに早く歩いたら
早く着いちゃいますよ

て、
わたしよりサクサクと
林の中へ笑いながら消えていった
そっか、おじさんにしてみれば
通勤の道なんだし…

おじさんに元気をもらい、
落ち着いて登り
白砂湿原

やっぱり、
景色が開けると
安心する


湿原とは違う、
山岳帯には山岳帯の花がある
草本に代わって、低木の花々
彼女はシャクナゲ


やがて見えてくる
尾瀬沼

「尾瀬はね、
3日に一度は雨が降る
雨の大江湿原は美しい」

そう、尾瀬沼休憩所のおじさんが
話していた

そして、ただのスニーカーで
白砂峠を登ってきて、
靴を濡らさなかったことを
笑われたけど、
次はきちんとトレッキングシューズを
買おう、と、思った

格好から入る、ことも、大切

「ニッコウキスゲ、満開だよ」
「足元を見て、そしたらギンリュウソウが見つかるから」

ありがとうございます、
尾瀬沼のおじさん


尾瀬沼のおじさんの教えてくれた

ギンリュウソウ

これが!
はじめて、ほんものに出会う
光合成をしない
「植物」
ねぇ、なんで、葉緑体がないなんて、
そんな、魅惑的な姿と引き換えに


いつも、
前を見ろとか
上を見ろとか
いわれてきたから

足元を見て

なんて、
魔法の言葉みたいだ
たくさんの、知らないものが、
足元にはあふれている

彼はコバイケイソウ
毒があるんだね
そんなふうにはまったく見えない
静かな優しげな佇まい

けど、
そんなところが、
魅惑的ってやつ?


彼女は

タテヤマリンドウ??

けど、彼女に出会ったのは7月中旬
似ているだれか?なの?

尾瀬沼をぐるりと回って

来た!

これが、
ニッコウキスゲ群生!
お花畑!
これが!

駆けだしたいけど、
とうぜん、中には入れないので、
おとなしく木道から堪能

あの中に入っていけたら、
どんなに楽しいかな、て
小学2年で読んだ国語の教科書を
思い出す
「はないっぱいになぁれ」
みたいな、きつねちゃんの話
思えばきっと、
そのときから、お花畑に憧れていた


ニッコウキスゲの黄色に染まる
湿原の中でも、彼女たちの
自己主張はすごい!

彼女たちは
ハクサンチドリ

みんな、キスゲに夢中ね
こんなに美しいわたしたちが
ここにいるというのにね!

いやいや、気づいていますよ
見逃したら、
一生分のソンをするでしょ?
みたいな、顔じゃない?



夏尾瀬の旅も終わり。
長蔵小屋へ。
やっぱり尾瀬沼のおじさんが教えてくれた
長蔵小屋の水場に咲く
ピンクのユリ
それを、必ず見て行きなさいよ、
て、いってくれた。

ヒメサユリ

見事な、
淡くて
儚い
透けるような、ピンク色


そして、
ほかの色も
グラデーションも混じらない
淡いピンク色、一色

なんて、キレイな
ユリのイメージを覆す

ユリって、式典の大きな花束の中で
甘い香りを振りまく
白い大きな花、てイメージ

そんなイメージを覆す、可憐さ
ユリって、キレイな花なんだね



やり遂げた

ホッとして尾瀬沼ビジターセンターへ
すると、あの、登山道で出会った
おじさまが受付に!
早くついたね、て、笑っていらっしゃる!

暑中見舞いをオリジナルでつくる
イベント中だったので、
家族にさっそく暑中見舞いを書いて、
長蔵小屋のカフェで休んで、
あとは、大清水へ降るだけ


そして、その降りが、
いわゆる
膝が笑う級の長旅であることを、
いまはまだ知らない… 笑

読んでくださり
ありがとうございます!

みちふぁいる 尾瀬は次回は秋
その前に、次は『みちふぁいる霧ヶ峰』へつづく…