■ストーリー
宮城県の小さな港町。耳のきこえない両親のもとで愛情を受けて育った五十嵐大にとって、幼い頃は母の“通訳”をすることもふつうの日常だった。しかし成長するとともに、周囲から特別視されることに戸惑いやいら立ちを感じるようになり、母の明るさすら疎ましくなっていく。複雑な心情を持て余したまま20歳になった大は逃げるように上京し、誰も自分の生い立ちを知らない大都会でアルバイト生活を始めるが……。
劇場公開日は2024年9月20日。
■評価:5点満点中4.5点
■感想
これはいい作品だった。
涙が一気に溢れるのではなく、少しずつじわじわきました。
簡単に説明すると、耳のきこえない両親のもとで育った耳のきこえる息子の話です。
とだけ言うと「コーダ あいのうた」とほぼ同じですが、物語のスケールが違います。
「コーダ」は音大を目指す壮大なストーリーとなっていますが、こちらは耳が聞こえないこと以外はごく普通の親子を描いています。
主人公が子供のころから始まって、思春期の苦悩や上京後の生活の変化などを丁寧に描いています。
それが大人になって経験を重ねていくうちに、じわじわと思い出して泣けてきます。
吉沢亮が、主人公の中学生から大人になる過程を自然に演じていて、役者ってやっぱり凄いなと思いました。
「コーダ」と違って感動の山場みたいなのはなく、作中にあるのはありふれた日常です。
それでも出会った人と思いがけない繋がりを持って、それが次の経験に生きていきます。
原作者の自伝ということもあり、ドラマっぽいセリフもありません。
その代わり聾唖(ろうあ)者達の本音がリアルでグサッと刺さります。
演者に本当のろうあ者を入れるのは「コーダ」と一緒でした。
思春期に反抗的になっていた息子が、大人になって経験を重ねて親の偉大さや寛大さに気づく姿は感動モノです。
「コーダ」が面白かったという人は間違いなくこちらもハマるでしょう。
というか、もうろうあ者かどうかなど関係なく普通の親子愛として泣けてきます。
今年は「ルックバック」がナンバーワン映画だと思っていましたが、本作も捨てがたい。
■興行収入予想
劇場公開日は2024年9月20日。
原作者の地元である宮城県では1週間前に先行上映されていました。
初週の上映館数は87とまあまあ多い。
しかし、アメブロの映画レビューで本作を扱っているブログはほとんどない。
マイナー映画だと思って見過ごしているのなら、あまりに勿体ない。
9月23日付の映画ランキングでは、初登場圏外を記録。
最終興行は1億2000万円と予想。
今年35本目の映画です。
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