ストーリー:
1970年代。小さな町工場を経営する坪井宣政と妻・陽子の娘である佳美は生まれつき心臓疾患を抱えており、幼い頃に余命10年を宣告されてしまう。どこの医療機関でも治すことができないという厳しい現実を突きつけられた宣政は、娘のために自ら人工心臓を作ることを決意。知識も経験もない状態からの医療器具開発は限りなく不可能に近かったが、宣政と陽子は娘を救いたい一心で勉強に励み、有識者に頭を下げ、資金繰りをして何年も開発に奔走する。しかし佳美の命のリミットは刻一刻と近づいていた。
評価:5点満点中4.5点
感想:
世界で17万人の命を救ったバルーンカテーテルの誕生にまつわる実話を映画化したヒューマンドラマということで、こんなの観る前から絶対面白いヤツだと確信していました。
期待通り面白かったです。
素晴らしい。
上映中に嗚咽の声も聞こえるくらい皆さん涙を流していました。
辛い境遇の中でも前向きに、支え合って進んでいく家族の姿に感動しました。
課題にあった装置を開発する工学的な側面と、慎重なテストを繰り返す医学的な側面が丁寧に描写されていました。
上層部からの意向により開発を断念せざるを得ない状況になったときはとても心苦しかったです。
思うように開発が進まない中、仕事で関わった人からの思いやりに心温まります。
大泉洋が主役ということで笑って泣ける映画かと思いきや、意外にも笑えるシーンはありませんでした。
映画の中では、大学同士のしがらみによって思うように研究が進まないなどの医療現場の暗部も描かれていました。
ある教授が悪く描かれていましたが、大人になって社会の上下関係を知ると、一人の力ではどうしようもない教授の気持ちも少しわかります。
お金儲けなど悪意があって断っているわけではないので、大目に見てやってほしいとは思います。
とはいえ、上下関係より多くの患者が救えることを考える世の中になってほしい。
興行収入予想:
今週公開の映画は他に「ブルー きみは大丈夫」「蛇の道」など。
ここ一か月は大作映画もなかったので、映画市場も低調気味。
先週はアニメ映画「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!」が興収2億1800万円をあげ、初登場1位に。
「ディア・ファミリー」は初登場1位、最終興行は12億円と予想。
今年18本目の映画です。
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