今回と次回にわたり、
身近な自然観察とは離れますが、
今どきの尾瀬のお話をしましょう。
広大な湿原とそれを取り囲む山々からなる尾瀬。
首都圏からのアクセスも良く、
貴重な動植物に恵まれた
自然豊かな楽園です。
今年のミズバショウは雪解けが早く、
早めに目を出した純白の仏炎苞(ぶつえんほう)の先端が
茶色く焼けてしまっています。
少々盛りは過ぎていますが、
それでも黄色いリュウキンカと共に
綺麗に咲き誇っています。
「夏がくれば思い出す・・・ミズバショウの花が咲いている・・・」
この歌うそなのは、有名ですよね。
ミズバショウは夏咲きません。
5月から6月の尾瀬を彩る花です。
ミズバショウを少し紹介しましょうか。
実は、毒草です。
食べるとお腹をこわします。
冬眠明けのクマが、それを知っていて、
冬の間の宿便を出すために食べたりするとか言う話もあります。
森の生き物ってアッタマいいですね。
(毒ですから人間は絶対真似しないでください)
又、真ん中棒のようなところが、お花の集まったものですが、
お花が終わると、熟してゼリー状になります。
これが結構クマさんの大好物で、好んで食します。
食べられたミズバショウの実は消化されません。
クマさんはどこかで排泄すると、
発芽して、そこで次の命へとつないでいくわけです。
ミズバショウと競うように咲き誇るリュウキンカです。
太陽を浴びて金色に輝く花弁がとても綺麗です。
金色(黄色)の花が立っているように見えるところから
その名がついたとも言われています。
周りを見渡してみると広大な湿原が目に入ります。
池塘(ちとう)に青空が映り込む景色は、何とも素敵なものです。
次回につづく・・・
(written by 森のくまさん)