※2017年改訂版
さて今回は、冬のメイン戦略である岸からのメタルバイブについて、まとめ的な記事を書いてみようと思います。
私の主観的な意見ですので正解とは限りません。その点はご了承ください。
〇メタルバイブの基本(岸釣りとボートの違い)
私は岸釣り比率が9割以上というアングラーです。
ボートからだとディープを直下で攻めることができます。
魚探で探るのも前提なため、メタルバイブの釣りでは圧倒的にボートが有利です。
まずメタルバイブの基礎をおさらい。
低水温期、身体が動かずに「捕食」としてバイトしてくる魚が極端に減ってくる状況でもバイトさせることができるルアーとして定番化したのがメタルバイブです。
※全てがリアクションバイトではありません。
ここで有効なアクションが、ご存知リフト&フォール。
これには様々なバリエーションがありまして、リフトする回数や強さ、テンションフォールなのかフリーフォールなのか?など組み合わせで色々と変わってきます。
ルアーごとの特性によってもパターンは様々。
共通して言えることは、メタルバイブの釣りはリフト&フォールの過程でいかに的確にバスに魅せることができるか(=いかに長くフォール時間を取るか、フォール回数を増やすか)という部分が重要になってくるということ。
フォール時間を長く取るという点ではやはりボートよりも不利。
岸釣りに向いたメタルの運用方法というのを考えて使う必要があると思います。
それを解説していきます。
〇岸釣りでのメタルバイブの使い方・基本編
①あまり遠投しない
→
遠投しすぎると、ボトムでラインが寝た状態になってしまい、リフトしてもほとんど浮き上がらなくなります。
例えば琵琶湖などで、50m先に遠投しないとウィードに届かないとか。そういった特殊な状況でない限りは遠投はおすすめしません。
②アイの選択
→
アイが3つのリトルマックスを例に説明すると、
・フロントアイ:浮き上がりにくい。リフトではほぼ使用しない。
・センターアイ:バランスが良い。アクションが最も安定する。
・リアアイ:最も浮き上がりやすいが、アクションはセンターよりは安定しない。
といった感じになります。
上記から考えていくと、岸釣りでフォール回数を増やしたいのであればリアアイを選択するのがおすすめ。
ただしアクションはやや安定しません。
またバイブレーション自体も伝わりにくいため慣れていない方には使いにくいかもしれません。
フラットを広く探るには最適なアイとも言えます。
直下や近距離しか撃たないクリークでは基本的には真ん中が推奨。
③ウェイト選択
→
一番よく使われるメインウェイトは、1/4oz(7g)か3/8oz(約10.5g)だと思います。
1/2oz(14g)以上は、上記の岸釣りの特性から、私はおすすめしません。
稀に使う状況もありますが限定的です。
岸釣りでは、まず7gを基準にするといいと思います。
私の場合は7gを基準に、もう少し速く落としたい、もう少し使用感や波動を強くしたいという時に10gにローテすることが多いです。
最近は3.5g、5gなどの軽量ウェイトのものも増えてきており、例えば霞水系など浅いフィールドをベイトフィネスで攻めたり、スピニング+PEラインで扱う方も増えてきていますね。
浅いフィールドや、飛距離重視の野池や小規模リザーバーなどではおすすめです。
④タックル選択、各セッティング
→
●ロッドについて
リフト&フォールで使用するのが前提であれば、高弾性カーボンのベイトロッド、ファースト〜ミディアムアクションのものがおすすめです。
リフト&フォールの釣りはロッドで操作してロッドで掛ける釣りなので、絶対に掛け調子のほうがいいです。
またメタルバイブに関しては、近距離であっても長めの竿のほうがおすすめです。ラインが捌きやすいため。
できれば、6.8フィート以上、パワーはMLがベストですが、Mでも大丈夫です。
MH以上はおすすめしません。硬すぎるとロッドパワーにフックが負けます。フック破損、曲がり、バラシの原因になります。
スピニングではL〜MLぐらい、できればレングスは6.8以上欲しいです。
●ラインについて
ML〜Mクラスのベイトであれば、フロロカーボンの10lb。張りのあるタイプがいいです。太くても12lbまで。
場所によっては、8lbか9lbまで落とします。
細いほど浮き上がりやすく抵抗も少ないため綺麗に落ちてくれます。
だから細いラインが推奨なんです。
現在のメタルバイブには、純正の時点で性能が良いダブルフックがついていることが多く、そのまま使用しても問題ない場合が多いです。
ただ、メタルバイブにはフック破損はつきものです。
どうしてもスタックするため、根掛かり回収機を使用することが多く、その際にフックだけ折れたり抜けたりすることがあります。
そんな時にスペア用としておすすめなフックがこちら。
・ガマカツ ダブル21
高品質なワイヤーを採用。刺さりと強度のバランスが良く、ダブルフックのスタンダード的存在。
折れるか曲がるかで言ったら、曲がるフックです。
・リューギ ピアスダブルTC
ご存知、掛かりに定評のあるTCコートを採用したダブルフック。
初期掛かりが非常に良く、強度もなかなか。ただし、プライヤーなどで曲がった角度を調整する時に折れやすい。曲げには弱い。単価も高い。
折れるか曲がるかで言ったら、折れるフックです。
ただ、通常ファイト中に折れたりは滅多にしないので、基本的に心配はいりません。
シーズンになるとメタル用の8番と10番から先に売れてすぐ欠品するため、在庫がある時に確保推奨です。
私が釣具屋なら、8番を大量に注文しますがね。。デカい番手だけ余ってるのをよく見かけます。
●フックのチューニング
・トレブルフックを配置
基本的に前後ともダブルフックを配置することが多いメタルバイブですが、トリプルフックチューンもおすすめ。
リアだけをトレブルに変えて、フッキング率とバラシを改善することができます。
前後トレブルもアリですが、もちろんスタックはしやすくなるため、リアのみがおすすめ。
刺さりを重視した、ピアストレブルダガーやガマカツRB-Mなどを配置するのがおすすめです。
・ダブルフックのスレッド固定
ダブルフックの弱点として、稀にフック自体が開いて抜けることがあります。
特に良型を掛けた時ほど危険なので、フックによっては固定したほうがいい場合もあります。
スレッドを巻いて瞬間接着剤などで止めるだけの簡単なチューニングなので、強度を重視したい方はやってみてください。
開きやすいフックを使用している時は推奨です。
・バーブレス化
初期掛かりが良くなることが期待できます。
特に真冬で口が開きにくいほど魚の活動が鈍った時ほど効果的です。
ただしやり取りではテンションをかけ続けないとバラシやすいので、やり取りに自信がある人向けです。
以上、この時点で長くなりましたが、ここまでが基本的な考え方とセッティングに関してでした。
ここからはアクションの話に入ります。
➖➖➖➖➖
〇メタルバイブのアクション
ここではもちろん、リフト&フォールについて言及していきます。
巻きに関しては好きなスピードで巻いて障害物に当てたりするといいと思います。
さて、ひとことでリフト&フォールと言っても、様々な組み合わせがあります。
・リフトの力加減
・1セットのリフト回数
・フォールはフリーフォールなのかテンションフォールなのか
・次のセットに行くタイミング
など、少し考えただけでもそれぞれの組み合わせによって色々な誘い方が考えられるのです。
フィールドの状況によって全く違ってくるでしょうしルアーによっても効果的なアクションの組み合わせが違ってくるはずです。
その前提で…
私が最も多用してかつ結果が出ている方法が、
・1セットでリフトは1回
・手に力はほとんど加えない
・フリーフォール
・スラックをすぐに巻き取って次のセットへ
というもの。
個人的に「ショートリフト」と呼んでいます。
リフト時は、よく見かけるメタルジグなんかを「シャクる」ような動きは私はしません。手首のスナップを使って手の力でリフトする方法のことです。
メタルバイブに慣れていない方はこのアクションをしがちですが、私の経験上はこれをやると途端にバイトが減ります。
手首の返しでアクションをすると余計なスラックが生まれやすく巻き取りに時間がかかります。よって次のセットへとテンポ良く進めなくなるんですね。
最初に基本編で記載した、メタルバイブの釣りはいかにテンポ良くリフト回数を増やすかが大事…という部分は、このアクション編に繋がってくるわけです。
ここでのメイユー流リフトのコツは、「腕ごと」リフトすること。
手首は返さずに、ロッドの角度は変えずにそのまま上にあげるイメージで15cmほど振り上げます。
で、メイユー流のフォールは、
その上げた腕をそのまま下げることでラインテンションをフリーにし、着底とほぼ同時に右手の中指でリールを巻き取り、スラックを回収します。そして次のリフトに入ります。
これはフォール時に生じたスラックを巻き取り、腕を下げた瞬間に次のセットにテンポ良く入るため。
フォール時間が短い岸釣りでは1セット約2秒です。
このメイユー流リフト&フォールの利点、特徴は…
・着底時間を短くし、バスに違和感を与えない
・倒れこみを抑止することで、スタックも減らせる
・糸絡み(エビ)も発生しにくい
・何よりも、効率優先の釣法
というところ。
メタルの利点を活かしつつ効率性と機動性を求めた結果、辿り着いた釣法だったわけですね。
リフト→フォール→スラック巻き取り→リフト
という動作をリズミカルに。
文字にすると簡単ですが、効率良くやるには慣れが必要。
正直、同じ場所で同じルアーをリフト&フォールさせていても釣果に差が出ると思います。
・フッキング動作
この釣りは8割以上、フォールの時にバイトがあります。
フォールバイトの大半は、バイトに気付く前に次のセットに入っていることが多いため、バイトした次のリフト動作=フッキング動作になることが多いです。
スピードが速い釣りなので、よほど浅いところ以外ではフォールバイトの感知が難しい場合が多いです。
リフトした瞬間、重みを感じたらもう一段階ロッドを立てて掛けにいきます。
力を入れ過ぎないのがコツ。追い合わせは厳禁。
追い合わせは傷口が広がり、身切れの要因になるので。
リフトした時に重み・生命感が伝わってくる感じ…
これがメタルバイブの釣りで至福の瞬間です。
超絶面白くて、一回楽しみ方がわかると病みつきになりますよ♪
ちなみにリフト時のバイトは、通常リフト時に感じるバイブが感じられないといったパターンやが多いです。
その場合はフォール中、次のリフト動作に入る前に一瞬フッキングする心の準備をしたほうがいいです。
いずれにせよ1セット2秒間とかの世界ですので、考える暇はほぼありません(^_^;)
体で覚える感じですね。
私は考えるより先に体が動くというか、リフトしながら常に準備してるので、逃すことは少なくなりました。
4年ほどの修行の成果ですかね(笑)
➖➖➖➖➖
さて、いかがだったでしょうか。
なんとなくイメージは伝わりましたでしょうか。
最初に申し上げた通り、あくまでひとつの方法ですから、これが正解ということではありません。
例えば、私が提唱しているショートリフトとは真逆の「ゆっくり持ち上げてカーブフォール」という釣りのほうが効く状況もあると思います。
私はあくまで、そういった釣り方が間違いと思っているわけではなく、効率を追求した釣り方の極地を目指しているだけです。
それが良いかどうかは人次第!
興味が湧いた方は、私のやり方だけではなく様々な組み合わせもぜひ検証してみてください。
メタルバイブの釣りは、寒い冬をきっと熱くしてくれると思いますよ(^^)
以上、長々と読んでいただきありがとうございました。